昨年、史上最年少の26歳で芦屋市長に就任して話題となった髙島崚輔氏が11月15、16日に配信された「文藝春秋 電子版」のオンライン番組に出演、世代を越えて政策を実行する「対話術」について語った。
「タイミング」と「説明し尽くすこと」
灘中高、東大、ハーバード大を経て、当時史上最年少の26歳で芦屋市長に当選した髙島氏。行政経験もなく、市役所でも年少者として立ち振る舞うことの多い彼が、市民と対話するにあたって心がけているのが、その「タイミング」だという。
「市長として意思決定をするのが私の仕事。この意思決定の前と後にちゃんと関係者と対話をすることを心がけています。意思決定の前に対話をして、隠れた課題やニーズを聞き切る。そうすることで『話を聞いてこない』と市民に言われてしまう事態を避けられる。
反対に、意思決定の後に何も対話をしなければ、市民としては『話を理解されなかったのではないか』と感じてしまうので、『なぜここでこうしたのか』を説明するのは大事だと思っています」
では、具体的にどのようなスタイルで、市民と対話をしているのか。
「JRの駅前再開発を『どのように見直すのかについて対話をしよう』と、市長に就任してすぐに市民に意見を募集しました。そうすると、びっしりと書かれた意見が200件ほど集まったんです。
その上で、意思決定をした後に『なぜこうしたのか』を説明する対話型の説明会を開いた。そこでは、質問が出なくなるまで説明をして150分対話し続けました。それだけ時間があれば、このような声を集めた結果、こういうような意思決定をしたというプロセスが全部説明できます。この『説明しきる』ということは納得感を生む上で大事だと思っています」