小学生同士の空手の試合で生じた、背後から後頭部を蹴るという反則行為。
この危険な行為を巡り、攻撃を指示したとみられる指導者が無期限の謹慎処分を受けたことが分かった。
「セコンドから、いけ！と指示があった」
問題の行為があったのは、11月3日、宮崎市で開催された小学生の空手大会。
試合中、右側の子供が対戦相手に背を向けた 次の瞬間…
左側にいた子供が、後頭部に蹴りを入れたのが確認できる。
その直前には、審判が手を伸ばして2人の間に入るようなそぶりを見せていたが、攻撃が止まることはなかった。
関係者によると、蹴られた子供は、頸椎捻挫で全治3週間と診断されたという。
会場で試合を見ていた人は、問題の攻撃について、こう話す。
会場で試合を見た人：
映像を見れば、空手関係者は全員分かる。あれは「待て」というジェスチャー。
会場で試合を見た人：
動きが一回止まったが、その直後にセコンドの方から「いけ！」という指示があって、後ろから攻撃した。
映像内の音声を確認すると、攻撃の直前、確かに指示する声が聞こえた。
「行け！」
反則行為に及んだ子供のセコンドを務める指導者の声とみられる。
責任は、指導者にあると専門家はみている。
スポーツ危機管理学が専門 日本体育大学・南部さおり教授：
あの状況で、子供に攻撃しろと命令したのであれば、当然指導者が責任を取るべきだと思う。指示がなければ、（子供は）攻撃はしなかったと思うので、指導者が責任を負う案件ではないかと思う。
この動画の拡散を受けて、大会を管理しているWKO世界組手連盟は、主催者などに聞き取り調査を実施。
大会ルールでは、「審判が待ったをかけた状態での攻撃」や「背後からの攻撃」が禁止されているということで、試合は、蹴った子供の反則負けとなった。
その後、セコンドを務めた指導者が所属する空手道場は、指導者を無期限の謹慎処分としたことを明らかにするとともに、以下のように謝罪した。
セコンドを務めた指導者が所属する空手道場：
本件について重く受け止めており、再発防止に向け、誠心誠意努力してまいります。
また、反則行為があった場面では、蹴られた子供が頭を押さえてうずくまっていたにも関わらず、審判やドクターがすぐに駆け寄る様子は見られなかった。
連盟は、「けがをした子供への対応が遅かったことについても問題があり改善が必要」とコメントしている。
（「イット！」11月13日放送より）
