1ページ目から読む
3/3ページ目

「9歳の息子はテレビをまったく観ません」

岡村 そしておさむさんは放送作家を引退。これからは何を?

鈴木 to C(一般消費者)に向けた若手起業家のためのファンドを始めます。結局、似てるんですけどね、放送作家の仕事と。

岡村 じゃあ、鈴木おさむ以後のテレビ界はどうなるでしょう? 

ADVERTISEMENT

鈴木 どうなるもこうなるも、新しい才能はもう入ってこないし、一縷の望みを持っていた人たちも、この1年でテレビから離れていっちゃったし。とはいえ、才能のある若いプロデューサーはいるので、映像に固執せず、テレビの枠を越えたことをやってほしいと思いますね。とにかくいまは毒にもならない番組ばかりが増えすぎ。うちの息子は全然観ないんです。

岡村 息子さんはいま何歳?

鈴木 9歳です。小学3年生。ゲームとYouTubeに明け暮れてます。うちは時間制限がないので、好きなものを好きなだけ観てます。

岡村 どんなYouTubeを?

鈴木 ありとあらゆるものを。全然面白くないコントを観てると思ったら、北朝鮮の武器ランキングを急に観始めたり。そりゃあ楽しいですよ、いろんな情報がどんどん入ってくるから。僕らがものすごく苦労しなきゃ手に入れられなかったエロ本情報も、いまはネットですぐに出てくるし(笑)。

岡村 おさむさんがやってきた膨大な仕事があるじゃないですか。そのアーカイブを観せてあげたらどうですか?

鈴木 僕が観せるより、気づいたときに自分で観ればいいかな。

岡村 じゃあ、最後に。おさむさんにとっての「幸福」とは。

鈴木 やっぱり、脳内にアドレナリンが出る瞬間に幸せを感じるなって。仕事に限らず、プライベートもそう、恋愛もそう。放送作家をやめてからすごく思います。これからもいろんなことに興奮して生きていきたいなって。

◆◆◆

 この続きは岡村靖幸さんの『幸福への道』でお楽しみください。

幸福への道

幸福への道

岡村 靖幸

文藝春秋

2024年11月26日 発売