名門の中高一貫校に入学したものの高校1年で中退して“中卒”に。その後はアルバイトや派遣を転々とし、28歳の時には結婚も破談。
そんな人生のどん底から34歳にして世界8位のトップ大学カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)に合格したひとみさん。一度はエリートコースからドロップアウトしたひとみさんは、なぜ再び勉強と向き合うことができたのか。(全2回の2回目/最初から読む)
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ーー過酷な労働環境や、結婚の話が破談になるなど、20代後半はひとみさんにとって辛い時期だったのでは。
ひとみさん(以下、ひとみ) その当時はご飯も食べれなくなって、水も飲めなくなって、部屋に引きこもったんですね。それでも会社には行かなきゃいけなかったので、数日ぶりに電車に乗ったら車内で倒れちゃったんです。近くにいたおばさまが席に座らせてくれたんですけど、そのときにふと「私の人生、どこで間違えたんだろう」と思って。意識がボーッとしてるなか、自分に問いただしたとき、それは17歳で高校を中退して自分の人生から逃げ出したときだと気づいて。そこで、「17歳のときに立ち返って人生をやり直そう、あのとき諦めてしまった大学進学をしよう」と思いました。
ーーなぜ日本の大学ではなく、海外の大学を目指したのですか?
ひとみ 現実的に、当時の私が日本にある頭のいい大学に入るというのは無理があったんです。日本はセンター試験(現・共通テスト)で何科目受けると決まっているじゃないですか。私は高校を中退したことによって日本の受験勉強は何もわからない状態だったので、国内受験は考えず、コミュニティカレッジ(アメリカにある2年制の大学)から世界の名門大学に編入するという道を選びました。
ーーそのコミュニティカレッジにも入学試験があると思いますが、どうやって対策したのでしょうか。
ひとみ コミュニティカレッジや海外の大学を目指すための英語塾に入りました。ネイティブの先生のもとで、どのように英語でエッセイを書いたり、プレゼンテーションをすべきかを習っていました。ですが、十何年ぶりぐらいに勉強をしたので、当時は英語の3単現のsもわからなかったんです。だから授業で「文章を書いてみましょう」と言われても、一文も書けなくて先生に呆れられてしまって。