「マッサージ器を直接陰部に押し当てられました。ローターは膣の中に入っていたと思います」
東京地裁に出廷した教え子が次々と性被害を明らかにしていく。被告人席に座った白髪頭の男に「理科教育のエキスパート」として知られた元校長の威厳はない。その視線は虚空を彷徨っていた。
昨年9月10日、勤務する中学校の校長室で少女の裸の画像を所持したとして、東京都練馬区立中学校の北村比左嘉校長(57)が逮捕された。捜査の端緒となったのは、かつての教え子からの通報だった。
「2022年11月、都の教育委員会の相談窓口に『過去に北村先生からわいせつな行為を受けた』と電話があったのです。2023年2月、都教委から中学校を管轄する練馬区教育委員会に情報が共有され、同年7月14日に練馬署へ通報が入りました」(社会部記者)
押収されたデータには性的行為が収められていた
強制捜査の末、校長室で掘り起こされたのは、余罪の痕跡の数々だった。
「通報者の教え子は、当時13、14歳の中学2年生。押収された動画データ29点、静止画データ19点には、北村被告が彼女の性器に触れたり、陰茎を挿入しているシーンが収められていました。被害者は彼女だけではなく、当時14、15歳の中学3年生だったA子さんに対する性的行為も記録されていた」(同前)
北村被告は調べに対し、「自慰行為をするために保存していた」などと供述。鬼畜の仕業が明らかになったのだ。
「理科準備室でA子さんを仰向けにして陰部を触り、胸を舐めるなどの行為をした末、ピンクローターを膣に挿入。さらにマッサージ器を強く押し当てるなどの性的類似行為を行い、彼女がうめき声をあげても行為を継続した。その結果、A子さんに全治約1週間の粘膜傷害を負わせ、北村は準強姦致傷の疑いで再逮捕されました。調べに対し、北村は『姦淫の意識はなかった。被害者のことが好きになり、性的欲求を抑えられなかった』と供述していました」(同前)