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内申書に響くから、部活を辞められなかった

 検察官がA子さんに対し、「嫌という気持ちを証人が被告人に伝えたことは?」と繰り返し尋ねると、彼女は当時の葛藤を吐露した。

「伝えていません。勇気がなかったのと、言ったら被告人が不機嫌になるんじゃないかなと。関係が悪くなってしまうと、今後の中学校生活でいろいろ不便だと思ったんじゃないかな。(北村被告とは)部活動だったり、うまくコミュニケーションがとれないと他の人に影響してしまうからと思った」

 それでも部活動を辞めることなく続けたのは「内申書に響くから」という理由だった。次第に彼女は「中学校生活の間だけやり過ごせばいいんだ」と心に決め、無言の抵抗を続けた。

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剣道部の顧問という顔もあった

「自分の中で精一杯の表現、表情をしたり、あとはできるだけ被告人のことを手で押してみたり、体を捻ってみたりそのときできる精一杯の抵抗はしました。『部活のメニューの相談をしよう』ということで理科準備室に行かされ、全裸で陰部を触らされる。『やっぱりこうなんだ』と思いました。されているときは、この時間が早く終わるようにと思っていました」

 校長室から押収された動画には、北村被告がA子さんに陰茎を挿入するシーンが収められていた。当時、北村被告はA子さんに対し、性行為の意味をこう告げていた。

「好きな人とやることをやって素敵なことなんだよ。運動にも効果がある。(性行為は)使っている脳の部分が違うから、違う部分を使うことで勉強の能率が上がるよ」

 純粋なA子さんは「理科の先生が言っていることだから、本当のことかなと思いました」と当時を振り返る。キスをされ、「好きだ」と好意を告げられる日々。蛮行の現場は理科準備室だけはなかった。