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 そんなキンタロー。が印象に残っている劇中のセリフは、「現実は現実だけど、空想は無限大」というものだった。「わたしも空想癖があるので、それでいいんだ、自由だと思ったことはうれしかった。そして最後の方に出てきたセリフには本当にボロボロと泣かされてしまいました。どんなに命の危険が迫ったとしても、それでも親切にできるというのは奇跡なんだと。それは勉強になりました」としみじみと語った。

 さらに原作にあった「人は間違いによってどういう人間か決まるものではなく、そこから学んで何をするかによって決まるんだよ」というセリフを引用した中井が、「その言葉が本当に深くて。それが本当のやさしさだったり、おばあちゃんとジュリアンとの関係性が感じられるセリフだなと思いました」と語ると、「それは救いの言葉でもありますよね」と深くうなずいたキンタロー。。

お笑いと翻訳の共通点とは……

 さらに「あとは『光を光で包まないと、闇で覆われた人は光が見えない』というセリフとなども、現実に戦争が起きている今の社会にもズシッとくるし、皆さんの心にも響くんじゃないですかね」と指摘した中井。負の連鎖を繰り返すのではなく、そこに光をともしていくことが大事であるということ。その言葉を受けて「分かります。失敗してもどう立ち振る舞うか。スベってもどう盛り返すか、そこが肝心なんですね」としみじみ語ったキンタロー。は、「布団が吹っ飛んだ」というダジャレを披露した時にまわりがシーンとなり、これはスベったと感じた時を例に出し、「そこにどうやってアレンジを加えて、その後どうやって立ち振る舞い、挽回していくか、ということを学びました」と笑いに合わせたコメントで会場を沸かせる。

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 すると中井が「そこは翻訳にも共通点があるんですよ。ここの翻訳はこうした方が良かったかなと後から思うこともあって。だから2刷で直してくれないかなと思ったりします」と続けると、キンタロー。も「お笑いにも翻訳にもまさかの共通点があったんですね。失敗して終わりじゃないというのは救われます。わたしもスベるのはすごく怖かったんですけど、先生の言葉で勇気が沸いてきました」と目を輝かせた。