石破茂首相の外交ブレーンをつとめる川上高司内閣官房参与(68)。その川上氏は大阪大学に論文を提出して2003年9月に博士号を授与されているが、この博士論文に剽窃があることが「週刊文春」の取材で分かった。

川上高司参与 ©文藝春秋

「理解をアップデートできていない」多くの研究者が疑問

 国際関係の学識を買われて内閣官房参与に就いた川上氏だが、同業者からの評判は決して芳しくない。

「専門のアメリカ外交についてはこの20年程度は積極的な研究をしておらず、理解をアップデートできていないというのが研究者の間での一般的な評価です。これまで書かれたものについても誤記が多かったり、問題があったりと、一部の専門家からは厳しい批判を受けていました。石破首相がなぜ川上氏を参与に任命したのか、多くの研究者が疑問に感じています」(国際政治学者)

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石破首相 ©時事通信社

他の論文から剽窃をした箇所がある

 散々な評価だが、こんな指摘まで上がっている。

「そもそも川上さんに学者を名乗る資格はありません。20年前、大阪大学に提出した博士論文には、他の論文から剽窃をした箇所があるのです。研究者倫理に反するのはもちろん、著作権侵害として法に反する可能性もあります」(別の国際政治学者)

 問題の論文のタイトルは、「米軍の前方展開と日米同盟」。川上氏は大阪大学大学院にこの論文を提出し、2003年9月に博士号を取得。論文は翌年、同文舘出版から書籍化されている。

川上氏の論文を書籍化した『米軍の前方展開と日米同盟』(同文舘出版)

 実際に中身を検証すると、ある著名な学者の論文を下敷きにしていることが分かった。表現を変えたり、前後を入れ替えることで剽窃の痕跡を糊塗した形跡がある箇所もあれば、全く同じセンテンスが何行にもわたって続いている箇所もある。

 博士論文に持ち上がった重大な疑惑。果たして川上氏はなんと答えるのか――。

 11月27日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および28日(木)発売の「週刊文春」では、川上氏が下敷きとした論文の著者名とその人物への直撃取材、著作権の専門家からの指摘などを詳報している。

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