一方で坂本は19年から5年契約を結び、3年目の21年までは年俸5億円の固定制だった。21年は117試合で打率2割7分1厘、19本塁打、46打点でチームもリーグ3連覇を逃した。しかし3年間中の実績が評価され、22年は1億円増の6億円に年俸がアップ。その年は83試合の出場にとどまったが、23年、24年も6億円を維持してきた。
ショートから三塁に本格転向した今季はゴールデン・グラブ賞こそ取ったものの、出場109試合で94安打の2割3分8厘、7本塁打、34打点。さすがに6億円の選手の成績ではない。在京球団の査定担当者が語る。
「うちの査定基準なら減額制限超えの減俸になる成績。今季までの年俸を振り返っても、5年契約した後に年数が見直され、今季まで契約が保証されていて年俸も据え置きだったようです。固定されていた21年までの3年間はともかく、22年以降の3年間は年俸に見合わない結果でしたので、もっと下がるかと思っていました。
ただ昔から巨人の看板選手は査定基準があってないようなものと言われてきましたし、既に名球会選手でもある坂本にチームがそれだけの価値を認めているということだと思います」
田中は安楽のパワハラ問題、坂本は妊娠・中絶問題を抱えていたが
2人は、どちらもベテランになってからスキャンダルを抱えた点も共通している。田中は安楽智大投手のパワハラ問題で、後輩へのハラストメントを助長したとされた。坂本にも22年途中に一般女性との妊娠・中絶問題が発覚している。しかしその対応も明暗が分かれた。
「スキャンダルについても坂本はほぼ不問に付されましたが、マー君は足元を見られ、昨オフから立て続けに大幅な減俸につながったように見えます。球団体質と言ってしまえば、それまでですが……」(前出の元首脳陣)
とはいえチームへの貢献度は、どちらも極めて高い。ともにドラフトも1位だ。