「組織に入ることも考える」「拘置所で対策を練る」
――今後はどんな仕事をするのですか?
「これまで対人営業をやっていまして、これからは社会のために自分の能力を活かして、やっていきたいと思います」
――サラリーマンとして?
「サラリーマンもいいかなと思っていて、組織に入ることも考えています。対人営業力を活かしビジネスで成功して、社会に爪痕を残していきたいと思っています。社会貢献もしたいと思っていて、ファイナンシャルプランナーの勉強をしようとしています」
勾留先の東京拘置所での勉強に日々を問われると、「ストレスもあって、正確に言えば、毎日勉強はしていません」とトーンダウンしたが、検事調べの際のやり取りを嬉々として披露する。
「最後の調べの20分間、コミュニケーション能力を評価していただきました。『能力を活かして、営業職をやれば稼げるから』と言われました。自分に向き合って頑張っていきたいと思っています」
実は、光山は今年初め、特殊詐欺の受け子をした詐欺未遂罪で起訴され、懲役3年、猶予4年の有罪判決を受けていた。そのことを裁判官から問われると、光山被告は終始他人事のように答えるのだった。
――前の判決が終わってから半年しか経っていない。(当該事件の公判で)自分が陳述したことを覚えているか?
「今回の事件が起きて、忘れてしまう自分がいると認識ができました。さらに忘れてしまわないように拘置所で対策を練りました」
被告人質問から8日後の11月27日。静寂が支配した法廷で裁判官の声が響き渡った。
「被告人は特殊詐欺の未遂の受け子の件により、懲役3年、執行猶予4年の判決を受けながら1年も経過しないうちに本件犯行に及んだものであります。1回限りの犯行ではないことは明らかであり、本件においては弁護人が主張する罰金刑とする余地はない」
裁判官が続いて次のように述べると、光山被告は安堵の息を吐いた。
「他方で、被告人は公訴事実を争わず、反省の弁を述べており、今回に限り執行猶予判決で相違ないという判断をし、懲役6月、執行猶予4年の判決の言い渡しをします」
金と女――。欲に堕ちた元慶大生は、ファイナンシャルプランナーとして更生の道を歩めるのか。
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