1ページ目から読む
2/3ページ目

捜査の過程で判明した“余罪”

「昨年7月8日、ラウンジ勤務の女性と知り合った光山被告は10月から12月にかけ、自身が手掛ける仮想通貨などに関する投資に勧誘。その際、彼は投資資金の預かり用として女性からキャッシュカードを譲り受けたのです。さらに、別の女性にも投資の勧誘をし、キャッシュカード2枚の交付を受けた上、彼女の口座から別の口座に数百万円を送金していました」(同前)

今回の標的はラウンジ嬢だった(写真はイメージです) ©aflo

 光山が逮捕されたのは、今年8月27日のこと。捜査の過程では“余罪”が明らかになった。

「光山被告は、賭け麻雀を主宰していました。ある女性の交際相手が彼の主宰する賭け麻雀で多額の借金を背負い、彼女は交際相手の借金の肩代わりをしましたが、その交際相手は逃亡してしまった。女性は金を取り返そうと、主宰者である光山被告に連絡。すると、彼は『指定の口座にお金を振り込めば、交際相手の金を回収できる』旨を述べ、指定口座に送金させたのです。その金は、いまだに返ってきていないといいます」(同前)

ADVERTISEMENT

裁判では容疑を認めたが…

 初公判が行われたのは、11月19日午後。着古した灰色のトレーナーを着た光山被告は30席ほどの傍聴席を見渡し、目を瞬かせる。被告人質問で光山被告は他人名義のキャッシュカードの交付を受けた理由を「自分の口座が使えなかった」と語り、他人名義のカードの交付を受けた容疑を認める一方、マネーロンダリングのために使用したことを否定した。

――なぜあなたは他人のキャッシュカードを借りたのですか? 

「マネロンは社会的に問題があるとは認識していましたし、弁護士さんから聞いたのですが、私もキャッシュカードを作れるようなので、事件が終わったらキャッシュカードを作成しようと思います」 

――被告人は最近どんな仕事をしていたのでしょうか? 

「ちょっと難しい話になりますけど、仮想通貨のエアドロップです。エアドロップの広告の代理営業です」

 エアドロップとは、あらかじめ提示された条件をクリアすると仮想通貨がもらえる無料イベントを指す。光山被告は弁護人の質問に対し、淀みなく答える。