――どの辺りが違うんでしょう。
大川 ファンを取りまとめてお金を集めたりする代表者を“生誕委員”って言うんですけど、ジャンクロップでは生誕委員もお断りしています。というのも、同じメンバーを好きなファン同士が仲が良くないことが多いので、揉めるんですよ。かといって1人に許可すると「私も、私も」「あの子にはOKが出たのに、なんで私はダメなの?」と収拾がつかなくなるので。あとはシンプルに、フラワースタンドの代金を踏み倒す人がいるという話も聞いたことがあります。
――お誕生日を祝うのも大変です。
大川 もちろんお祝いしていただくのはありがたいのですが、トラブルを防ぐためにジャンクロップでは、「お祝いチェキ」を公式に販売して、その売上をもとに運営が生誕祭用のお花を用意するようにしたんです。
――いろいろルールづくりをしているのですね。
「あんな野蛮なグループとは対バンしてほしくない」と叩かれて大炎上
大川 本当に難しいですね。ファンの気持ちはありがたいんですが、ちゃんと平等にしようとすると全部NGになっちゃうんですよ。ルールを変えようとして炎上したこともあるので、今はより慎重になっています。
――炎上ですか?
大川 メンズアイドル界隈独特のルールに「最前管理」があります。説明が難しいんですけど、ライブ会場がオープンした時に最前列を確保した人が、その日出演する各グループの出番ごとに最前列をファンに割り振るローカルルールです。
――自由席のライブですよね……?
大川 そうです。でもほとんどのライブ会場で「最前管理」はあると思います。最前列を確保した人に「ジャンクロップの右から2番目空いてますか」みたいに交渉する必要があるので、新規のお客さんにとってはハードルが高い。ジャンクロップのファンはライブ初心者も多いので、ルールを知らずに最前列に入り込もうとしてトラブルになったらかわいそうだなと思ったんです。
――それで「最前管理」をなくそうとした?
大川 「ジャンクロップでは最前管理を禁止します」と宣言したんですけど、ほかのグループのファンから「あんな野蛮なグループとは対バンしてほしくない」と叩かれて大炎上しました。それで郷に入っては郷に従えということで、最前管理の禁止は撤回しました。
――定着したルールを変えるのは難しいですよね。
大川 そうですね。できるところからやっていくしかないと思っています。