「メンバーが5人のグループを10人のファンが支えている、という状況はやっぱり持続するのが難しい」
――大川さんはジャニーズJr.時代に嵐のバックダンサーとして全国ツアーも経験されています。落差も大きいと思うのですが、あらためて地下アイドルの魅力はどんなところにあるんでしょう。
大川 やっぱりファンとアイドルの近さだと思います。ドームやアリーナに何万人も集めるグループはチェキや接触は不可能ですし、個人がファンサをもらうのも難しい。それはメジャーシーンにはない魅力だと思います。地下アイドルでも、人気がでて会場が広くなってファンが増えればファンとアイドルの距離は離れていきます。ただ僕としては、ファンの方にもそれを「大きな会場でライブができるようになったね」と喜んでほしいんです。
――ファンが増えれば、1人の人が何万円も払わなくてもグループは十分に潤うようになりますしね。
大川 メンバーが5人のグループを10人のファンが支えている、という状況はやっぱり持続するのが難しいですからね。できるだけ薄く広く支えてもらう形にしていきたいんです。
――メンズ地下アイドルの業態は、今後変わっていくのでしょうか。
大川 メンズ地下アイドル界隈は、ガールズに比べてもまだまだ発展途上です。でも、逆に言えばブルーオーシャンとも言えますよね。ジャンクロップも最初はお客さん一桁だったところから、毎月600人キャパで主催イベントを行い、800人キャパの会場でワンマンライブができるようになりました。トップクラスのグループはメンバーの年収が1000万円を優に超えますし、この間人気グループが合同で出したCDはオリコンウィークリー1位にもなりました。僕の予想ですけど、3年以内にメン地下のグループが武道館で公演することも十分ありえると思っています。
――武道館でできたら世間の見る目も少し変わりそうですよね。
大川 今の地下アイドルのプロデューサーは、元マネージャーや元オタクなどアイドル未経験者がほとんど。僕のようなプレイヤー出身の人はほどんどいないので、そこに自分の強みがあると思っています。歌やダンスのパフォーマンスレベルは高めたいし、それが僕たちの強みだと思っています。あれだけ小さかったジャンクロップがここまで大きなグループになったよ、という成長過程をファンの方たちと共有し、応援してもらえれば、と思っています。