今年10月、男数人が埼玉・所沢市の高齢者夫婦が暮らす住宅に押し入り、夫婦を粘着テープで縛った上、85歳の夫の腕を刃物で切りつけ、現金約16万円を奪って逃走した事件で、「資金管理役」だったとみられる女が逮捕されました。
逮捕されたのは、京都市に住む武藤恵子容疑者(26)。
武藤容疑者は、16万円の一部を受け取り、闇バイトに応募した実行役やリクルーター役の口座に現金を振り込んでいたとみられています。
さらに、所沢市の事件の前日、国分寺市で起きた強盗致傷事件についても、奪われた550万円の一部が、武藤容疑者の口座に振り込まれていたといいます。
警察の調べに対し、「アプリで指示を受けてお金を送る役割だった」「お金の受け渡しを20~30回くらいやった」と供述している武藤容疑者。
捜査関係者によると、指示役からの指示で報酬や経費の送金などを行ったとみられます。
元“闇バイト”が語る「資金管理役」
「資金管理役」とは、詐欺グループの中でどんな立場なのか。
「めざまし8」が取材したのは、かつて犯罪グループを結成し、闇バイトを募集したことがあるという渋谷幸靖氏。
今は罪を償い、若者の自立支援のNPOを立ち上げ、全国で講演活動などを行っています。
NPO法人「陽和」渋谷幸靖理事:
(指示役として)リフォームの詐欺をやってしまっていまして、人をだましてお金を奪ってしまうというようなことをグループとしてですね、やっておりました。
私たちも当時は、そういった“闇バイト”と呼ばれるような求人を出してですね、若い子たちを集めた。
そんな渋谷氏の元には、闇バイトに関わってしまった若者たちが駆け込むこともあるといいます。
NPO法人「陽和」渋谷幸靖理事:
大手の都市銀行とネットバンクの2つがあるとして、ネットバンクだと、1人の子が2個も3個もと同時に申請して持つということができる。それを一つの口座3万円で買い取ったりするというので、お金欲しさに口座を売る、その売られた口座が闇バイトの入金で使われるというような流れが、犯罪の組織の中では巡っているというような構図となります。