14年前に勤務していた中学校で女子生徒に性的暴行を加え、けがをさせたとして、準強姦(ごうかん)致傷罪などに問われた東京都の中学校教員・北村比左嘉容疑者(57)の裁判員裁判の判決が9日、東京地裁であった。
細谷泰暢裁判長は「精神的被害は甚大だ」として、懲役9年(求刑懲役10年)を言い渡した。これまで報じてきた記事を再公開する。(初出:「文春オンライン」2023年10月6日公開/年齢・肩書きは当時のまま)
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「北村先生は新人教師として赴任してきたときから不適切な行動がありました。学校の管理体制が当時からきちんとしていれば、こんな事件は起きなかったのではないでしょうか」(Aさん)
東京都練馬区の中学校で校長を務める男が複数の女子生徒のわいせつな動画を所持していた事件。逮捕された北村比左嘉容疑者(55)が最初に赴任したのは文京区内の中学校だった。Aさんは北村容疑者の初めての教え子のひとりだ。
「事件は9月10日に発覚し、女子生徒の裸の画像をビデオカメラに収め所持していたとして、北村容疑者は児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕されました。カメラには別の女子生徒の裸が写った動画も残っており、警察は余罪がないか捜査を続けていた」(全国紙社会部記者)
北村容疑者が再逮捕されたのは9月29日。準強姦致傷容疑である。マッサージを口実に勤務先の中学校の一室に女子生徒を呼び出し、性的な暴行をして怪我を負わせていたという。
元女子生徒が北村容疑者からの被害を訴えられなかった理由
「警察は被害者と見られる元女子生徒に接触し、北村容疑者から性的暴行を受けたかどうかを確認。元女子生徒が被害を告白したことで容疑が固まりました」(同前)
北村容疑者は警察の調べにこう供述している。
「姦淫の意識はなかった。生徒を好きになってしまい、性的欲求を抑えられなかったのは事実です」
逮捕の決め手になったのは元女子生徒の告白。これまで北村容疑者からの被害を訴えられなかった理由をこう語っているという。
「先生から性的暴行を受けてたことがみんなに知られると、普通に学校に通えなくなるんじゃないかと不安があり、声を上げられなかった。その後、忘れたくても忘れることができず、心の中に抱えて、誰にも言えずにいました」
「熱心で優しい先生」という評判の一方で…
北村容疑者の元教え子であるBさんは、容疑者は教師として優れていたと語る。
「学校内ですれ違った時に挨拶をすると笑顔で返してくれた。素行が悪い生徒に対しても、怒鳴ったりきつい言い方で叱ったりすることはなく、落ち着いた声で優しく諭すように指導されていたと記憶しています」
「熱心で優しい先生」――そんな評判の一方で、北村容疑者には「裏の顔」があった。冒頭のAさんはこう証言する。
「約30年以上も前のことです。まだ教員になって間もない北村先生は、夏休みになると特定の女子生徒をプールに連れていっていました。異常な距離の近さに『おかしくない?』と女子生徒の中で話題になっていた。その中で特に北村先生のお気に入りだったのがC子でした」