西村の囁いた「泣きついた議員」とは誰か?
一度はやめようとした裏金のキックバックを、なぜ続けたのか。自民党の政治とカネ問題における最大の焦点がそこだ。しかし、2023年11月の問題発覚以来、検察の捜査を経てなお、それが明らかになっていない。政治不信を払拭できないのはそのためである。今になって首相の石破茂は政治倫理審査会(政倫審)の開催を示唆し、20人以上の参院議員が出席の意向を示している。西村の囁いた「泣きついた議員」とは誰か。そこで何が起きたのか。
「安倍派」当選率はわずか4割
今度の第50回衆院選挙は、自民党政治の終焉を象徴するような出来事だった。新首相に就いた石破が早々に衆院を解散し、10月27日の総選挙に踏み切った。だが、自公は過半数割れし、いまや政権運営に四苦八苦している始末だ。政治とカネ問題が与党大敗の要因なのは言うまでもない。
少数与党に転落した自民の中でも、最大派閥だった安倍派は、最も大きな痛手を負った。先の衆院選で安倍派は50人が立候補して当選できたのはわずか22人、当選率にすると、4割を少し超えたに過ぎない。惨憺たる有様である。つい1年前まで隆盛を誇ってきた最大派閥は崩壊し、45年続いた歴史の幕を閉じる。
そんな安倍派議員の多くには、会長の安倍亡き後、派閥を率いてきた幹部に対する不満が燻っている。裏金問題の解明がなされないまま、衆院の解散総選挙に突入し、惨敗した。落選議員たちはもとより当選組も、釈然としていない。何が何だかわからないまま選挙を闘わされたという恨みに近い意識が強い。
◆本記事の全文は「文藝春秋」2025年1月号と「文藝春秋 電子版」に掲載されています(森功「重大証言 安倍派を壊した男たち」)。この記事の全文(約1万1000字)では、下記の内容をお読みいただけます。
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