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広島・丸佳浩の“目の下の黒いアレ”を調べてわかった大変なこと

文春野球コラム ペナントレース2018

2018/06/06
note

アイブラック装着時の丸の顔の安定感

 しかしアイブラックの効能は守備面だけなのだろうか。4月28日の試合で右太もも裏を痛め戦列を離れた丸は、5月26日の中日戦(マツダスタジアムでのデーゲーム)で約1カ月ぶりの復帰を果たした。9回1アウトから代打で登場したその丸の顔には、しっかりアイブラックが貼られていたのである。試合前の守備練習時から貼っていたのかも知れないが、アイブラックは打撃にも影響を及ぼすものなのだろうか、とふと考えてしまった。

 その打撃における丸の特徴を一言で表すならば「選球眼の良さ」。打つべきストライクはきちんと打ち、ボール球は見極めて四球を選ぶ能力に長けている。選球眼の指標の一つであるBB%(四球数÷打席数)を用いて今シーズン離脱前の25試合における丸をアイブラックなしとアイブラックありで比較すると

アイブラックなしの丸  20試合 96打席 28四球 BB%29.2%
アイブラックありの丸  5試合 19打席 6四球 BB%31.6%

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 となる。試合数が少ないため有意差があるとまでは断言できないが、アイブラック装着時の方が若干選球眼が良くなるようでもある。

 それにしても、アイブラック装着時の丸の顔に言い知れぬ安定感を覚えるのはなぜだろうか。目を軸として、形の良い眉毛とアイブラックが線対称になっているからだろうか。そのようにしばらくアイブラック装着時の丸の画像を矯めつ眇めつしていると、あることに気が付いた。

 顔の露出している範囲(帽子のつば下辺から顎まで)のうち、アイブラックがない場合の丸の顔は、帽子のつば下辺から黒目の中心:黒目の中心から顎までの比率が1:3.4となり顔の下半分の余白が多く感じられる。ところがアイブラックを装着すると、帽子のつば下辺からアイブラックの下の角:アイブラックの下の角から顎までの比率が1:1.618(近似値)となる。そう、これはまさにすべての人が美しいと感じる比率、黄金比である。安定感を覚えるのも道理であったのだ。

“アイブラックなしの丸”と“アイブラックありの丸”の比較 ©オギリマサホ

 屋外球場、なおかつ他球場より守備側が眩しいマツダスタジアムを本拠地とするカープだからこそ、この美しい丸のアイブラック姿を我々は多く目にすることができるのである。その僥倖に感謝しつつ、これからのカープ、そして丸を応援していきたい。

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