ご相談を読む限り、あなたのお姉さんは…
そんな姉と今の旦那さんとの“キューピッド役”を果たしたのは、実は私なんです。あれは名古屋の大須演芸場で初舞台を踏んだとき、私は14歳、姉は21歳でした。
私たち姉妹は演芸場の楽屋で寝泊りしていて、そうしたらある先輩芸人が夜に「寝てる?」って楽屋に顔をのぞかせて、焼きそばやらたこ焼きやらを差し入れしてくれたんです。姉はそれでボーッとなって。大阪帰ってきても「あの人が好きや、好きや」と言うんで、私が電話をさせたんです。向こうからは「そういうわけにはいかない。君たちはどんどん売れっ子になってきているんだから。これから頑張ってね」って、一度は断られました。でも1年後くらいにデートするようになって、結婚したのが今の旦那さんです。
まぁ、そんなわけで姉はソースと粉もんでオとされたようなもんです。
コスパ、よすぎますよね(笑)。
ご相談を読む限り、あなたのお姉さんはあなたのことが大好きなんですよ。だからちょっぴりあなたの恋人に嫉妬に似た感情を抱いて、嫌なことを言いたくなってしまうのだと思います。
けれど人生には恋愛という甘いスパイスが必要な一方で、お姉さんの苦言みたいな、ちょっと辛目のスパイスも必要なんと違いますかね。あなたのことを思って、うるさいことを言ってくれる人は、もうお姉さんしかいないと思うんですよね。
その垣根のなさこそが、姉妹のいいところではないでしょうか。
今、私の姉は東京に住んでいますが、ときどき私のYouTubeに出てもらうために大阪に来てもらってます。2年前に初めて出てもらったときは、綿菓子が溶けたような髪型に、商品にならずに畑に転がっている白菜のような大きな顔で、“ヤマンバが山から降りて来たんかな”という凄まじい格好でした。
けれど大阪に来るたびに段々と垢ぬけていきました。YouTubeの出演料で美容院に行き、綺麗な服を買い、口紅を塗り、靴を買ったのです。白菜みたいな大きな顔だけは変わりませんが、私はそんな姉が大好きです。
100歳(ハクサイ)まで生きてほしいです。
「週刊文春」では、「上沼恵美子の『人生“笑”談』白黒つけましょ」が好評連載中。「週刊文春 電子版」では、これまでの相談・回答をすべてお読みいただけます。
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