一方の斉藤は、横浜市内に夫婦で建てた2階建ての豪邸で夫や子供と以前と変わらずに過ごしている。
「斉藤さんご一家は今夏に家族でハワイに旅行にいったそうです。女優をやっている長女だけは訳あって同行しなかったと聞いています」(斉藤の知人)
不貞などなかったかのように仲睦まじい家庭生活を送る斉藤に対し、X氏は独り身になっていた。それぞれ違った形で不倫の代価を払い終えたはずの2人は、なぜあの日ガラス1枚を隔て、愁嘆場を演じたのか。
斉藤を直撃すると…「本当に何もないです」
10月30日月曜日の早朝、診療開始時間直前にクリニックに出勤してきたX氏を直撃すると、顔の前で手を横に振りながらこちらの問いかけに無言を貫いた。
その日の夕方、自宅から車を運転してドラッグストアに出かけた斉藤。買い物を終えた彼女を直撃した。
――10月28日にX氏とトラブルになった?
「……」
当初は無言を貫いていた彼女だったが、X氏との交際に話が及ぶと、気色ばんだ。
――まだX氏との関係は続いているのでしょうか。
「違います」
――泣かれた姿も確認しています。
「あの、本当に何もないです」
――クリニックに入る入らないで警察も出動した。
「全然違います」
――何もないというのはトラブルがなかった?
「いや、あの、そういうことは話すつもりはないです。ただ、関係が続いているとかそういうのはないです」
X氏からも説明が
直撃に応じなかったX氏のクリニックに質問状を送ると、X氏本人が記者に電話をかけてきた。
「『この人、薬飲みすぎておかしくなっています』と言った覚えはないが、斉藤さんがまともな精神状態でなかったのは本当です」
狂乱の現場が生まれた原因についての説明もあった。
「私の車のバッテリーがあがってしまい、ブースターケーブルにつなぐときにショートしてしまって火傷を負ってしまった。処置のためにクリニックに入ったが、彼女(斉藤)もクリニックに入って来ようとして押し問答になってしまった」
不倫の報いに関してはこう言葉をつむぐ。
「僕の財産は全部前妻にあげました。84歳の母が住んでいた僕名義のマンションも法的に売却され、母親は追い出されてしまった。僕は10年の人生をパーにしました。だけど、そのことに対してはこれまで反論を一言もしてこなかった」
やがて話題は斉藤との現在の関係に移る。X氏の声は熱を帯び始める。