もう時効だけど……
——みなさんの50年間は、続出するトラブルを乗り越えてきた歴史でもあるんですね。なぜ、THE ALFEEはトラブルに強いんでしょうか?
高見沢 それは、ずっと公開収録とかライブをやっているからでしょう。
たとえば昔、公開収録で豪雨になっちゃって、メインだったアーティストが「こんなんじゃできない」って帰っちゃった。もう時効だけど、しょうがないから僕らがメインをやることになりました。
坂崎 土砂降り。すっごいんだよ。
高見沢 坂崎なんかマーティン(高級ギター)の中に水が入っちゃった。でも、中止にするわけにはいかないから、スタッフも「何とかやってください。時間はいくらでも」と。緊急事態の対処は、ムッシュかまやつさんのバックバンドを務めていたころにいろいろ教えてもらったんでね。
坂崎 そうそう。
高見沢 だって、かまやつさんは自由度100パーセントだから。チューニングが合わないときなんて、ワンコーラスでやめちゃって。あのときのギターはファイヤーバードのエレキだったな。
坂崎 当時はまだ電子チューナーなんてなかったからね。
高見沢 ワンコーラスでやめて「今日は東京から僕の友だちが来ています。ALFEE!」って呼ばれて。「えっ、もう出るの?」と思ったら、かまやつさんは「あと、やってな」とか言って帰っちゃって(笑)。俺たち、代役が多いね。
坂崎 多いね。「ALFEEなら何とかしてくれるだろう」的な。
桜井 そうそう。
高見沢 そういうのを音楽の神様が見ていてくれたから、続けてこられたのかな。
(聞き手・内田正樹、構成・文藝春秋編集部)
※本記事の全文(約2万2000字)は「文藝春秋 電子版」でご覧いただけます(桜井賢、坂崎幸之助、高見沢俊彦「THE ALFEE デビュー50年の20大ニュース ノーカット2万2000字『完全版』」)。全文では下記の内容をご覧いただけます。
《目次》