すぐに2人は別居生活となった。そして、無事2人目を出産した理子さんは、離婚へ向けて自立するため仕事に就いた。仕事中は、母親に下の子を見てもらい、上の子はケンジさんやケンジさんの母親が世話していたという。
ただ、ここでケンジさんの新たな不倫疑惑が発覚する。
「幼稚園くらいになった上の子と話していたとき、息子が『パパとママが僕を置いて出ていっちゃうの』と言ったんです。私のことは『お母さん』と呼ばせていたので、『ママって誰?』って思いましたよ。息子に色々聞いたら、ケンジが他の子持ちの既婚女性を家に呼んで、彼女の子どもと私の息子を遊ばせていると。そこまではいいんですが、しばらくすると子どもたちを家に置いて、2人でどこかへ出かけてしまう。私は子どもを放置していくのが許せませんでした。それで、すぐに離婚届に判を押してもらいました」
不倫はしていたが、不妊治療に協力してくれたケンジさんに対して、理子さんは感謝しており、慰謝料や養育費は一切請求しなかった。しかし、離婚の際にケンジさんは「俺の子じゃなくてもよかったんだろ?」と吐き捨て、理子さんの情を無下にして去っていったという。
離婚から25年を経て再び…
そこから、25年ほど月日が経ったある日、理子さんの実家に突然、ケンジさんから手紙が届く。
「ちらっと見たら、直筆の謝罪の手紙でした。『あのときは悪かった』みたいな。でも、腹が立ったので深くは読まずに燃やしてしまいました」
この“事件”から3年後、今度はFacebookのMessengerに、ケンジさんからメッセージが届いたそう。そこには、若い子と結婚したけど子どもができず、離婚したこと、最近自分の母親が亡くなったこと、そしてなにより孤独で寂しいことが綴られていた。だから、理子さんともう一度、一緒になりたいとケンジさんは訴えてきたのだ。
「都合のいい人でしょう? 頭にきたんですが、子どもたちは『もう許してやってもいいんじゃない。お母さんも1人じゃ色々大変だろうし』と言うんです。じゃあ一度くらい会ってもいいかと思って、彼のバーに行ったんです。それで色々、彼に説得されて、子どもの後押しもあって去年再婚しました。ただし、私は自由に過ごしたいし、仕事をしたいから同棲はしないという週末婚のような条件を出しました」
これをケンジさんは了承し、現在では家族4人で週末キャンプに行くこともあるのだそう。家族団欒という理子さんの念願は、大きな遠回りを経て叶っている。