厚労省の調査によれば、今や3組に1組の夫婦が離婚している。離婚は珍しいものではなくなり、何度も離婚と再婚を繰り返す人も散見される。ただ、同じ相手と再婚する人はかなり少数派だ。今回は、そんな離婚した相手と再婚した人に、そのいきさつを聞いてみた。(全3回の2回目/#3に続く)

写真はイメージ ©years/イメージマート

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結婚、再婚、再離婚…

 酒井恵さん(58歳・仮名)は、カズヒロさん(60歳・仮名)とDVが原因で離婚し、のちに再婚。そして、再び離婚に至るという人生を送っている。

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 出会いは恵さんが22歳の頃。当時、恵さんの趣味はパチンコだった。近所のパチンコ店で遊技に興じていると、ぽっちゃり体型で優しそうな店員が目に入った。彼こそのちに結婚、再婚、再離婚をすることになるカズヒロさんだった。

「ぽっちゃりして、包容力がありそうな人がタイプなんです。彼との共通の知り合いに私の好意を伝えたら、それがいつのまにか彼に伝わっていました。彼は知り合いに私の電話番号を聞いたらしく、電話をくれたんです。そこから、ご飯に行ったり、パチンコに行ったりとデートを重ね、2年くらい付き合って結婚しました。彼はもともとパチンコ屋のバイトだったんですが、結婚を機に別の職種に転職して正社員になってくれました」

酒井恵さん(58歳・仮名)

 結婚してから5年ほど過ぎた頃、カズヒロさんの強い要望もあり、同棲していた賃貸アパートを離れ、マンションを購入することになった。購入にはカズヒロさんの実家も金銭面で援助するなど、若い2人の門出を祝ったのだった。

「でも、マンションに住み始めてからDVが始まったんです。私が家事が得意じゃなかったことが最初の原因になったようです。彼は、せっかく買ったマンションだから、綺麗に維持してほしかったんでしょうね。でも、私は服をそのへんに脱いじゃうし、洗い物もすぐには洗わないタイプ。しかも、結婚を機に専業主婦になっていたので、『仕事してないのに家事もしないのかよ』と旦那は余計イラついたのかもしれません。それまで、モノには当たっても、暴力を振るうことはなかったんですが……」