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恵さんが受けた暴行は壮絶だった

 カズヒロさんが帰宅すると家の中が片付いていないことで、毎日口論になった。その末に殴る蹴るの暴行が始まるのが日常に。ただ、恵さん自身、DVの原因は本当にみずからの家事能力だけだったのかは、今となっては明確ではないという。「精神的ストレスがすごくて、当時のことはあまり覚えていない」(恵さん)からだ。

 当時、恵さんが受けた暴行は壮絶だった。

「お腹は体を丸めて守りましたが、顔はボコボコに殴られていました。一回、ものすごく顔が腫れたんですが、旦那は『大事(おおごと)になるから病院には行かないでくれ』と。それで、2週間くらい放置してたら、紫色になってきて痛みも我慢できなくなりました。さすがの旦那も病院行きを許してくれましたが、診断結果は壊死。壊死した頬の一部を除去しました。切除した箇所は、今となってはエクボみたいに見えるんですけどね……。ただ、私自身がうつ状態になってしまい、自殺しようと思ったんです。それで福井の東尋坊(自殺の名所として有名)まで行きましたが、途中で警察に保護されて家に帰されたんです」

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 このときに恵さんは初めて離婚を切り出した。カズヒロさんは、意外にも素直に応じたという。スムーズに離婚に至ったのは、2人に子どもがいなかったこともあるだろう。

 こうして、離婚した恵さんは、新たな彼氏ができ、すぐに結婚。相手は、恵さんと同い年の当時30歳。初婚だったからか、彼は結婚を急かしたそうだ。

 ただ、ここでも恵さんの結婚生活はうまくいかず、1年と経たずに離婚してしまう。

「今度は私が手を出してしまったんです。同棲したんですけど、相手が『実家が恋しい』と言うから、イライラしちゃって……。でも、当然反撃されますよね。結果的に私は救急車で運ばれました。幸い重傷ではなかったんですが、その後すぐに離婚しました」

急に再婚を申し込んだ恵さん

 ここから、恵さんは予想外の行動に出た。最初の結婚相手であるカズヒロさんに連絡したのだ。しかも、急に再婚を申し込んだのである。

「カズヒロとは別れてからも、友達みたいな感じで1カ月に1回くらい飲んだりしてたんです。だから、私にとってそんなに急なわけじゃないんですよね。『やっぱり、あなたがいいです』と求婚しました。友達としては、すごくいい人だったので、その関係性のまま一緒にいれたらいいなって思ってたんですよ」