カギを握る犯人の親族のDNA情報
「我々は2年前から警察と検事局に情報を提供している。25時間プレゼンテーションできるだけの情報を持っているのに、警察は全然興味を示さない」
同じ不満をジョン・ラムジー氏も持っているようだ。ABCテレビの報道番組「ナイトライン」でこう述べている。
「数ヶ月前、警察署長と話した時、彼は追加検査ができるほどのDNA技術がまだないと思うと話してました。私は、技術がまだないというのには反対です。技術はあります。私はある主要なラボのファウンダーらに会いましたが、彼らはやれることがあると話してくれました。彼らは検査を行って、調査を助けたいと思っているのです」
事件が起きた1996年当時にはなかった、現在のDNA技術で犯人を割り出したいと訴えたジョン・ラムジー氏。特に、今、未解決事件を解決するのに注目されているのが、犯人の親族のDNA情報だ。実際、1970年~1980年代、少なくとも13人を殺害し、50人以上の女性をレイプした“ゴールデン・ステイト・キラー”と呼ばれた連続殺人犯は、2018年、証拠物に残されていたDNA情報をDNA家系図サイトGEDmatchにアップロードしたことがきっかけとなって特定された。このサイトには、犯人の遠い親族のDNA情報が登録されていた。長い間、野放しにされていた“ゴールデン・ステイト・キラー”だったが、親族のDNA情報を見つけ、その親族の家系を辿ることにより、元警官のジョゼフ・ディアンジェロの逮捕に至ったのである。
ジョンベネを殺した犯人にも、犯人の親族のDNA情報を得ることで、たどり着けるのではないか。そう確信したクラーク氏の調査チームは、重要参考人の12人の親族のDNAサンプルを集めているところだ。
クラーク氏は今年もジョンベネの氷の彫像を作った。いつの日か正義をもたらしてみせる。そんな決意を込めて。