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メジャーの経験は今までの価値観をがらりと変えた

――メジャーにも松坂さん、藤川さん、多田野数人さん、そして和田さんと4人が行かれました。メジャーはずっと目指していたんですか?

和田 プロに入った時から視野に入れていました。メジャーで通用する選手になりたいという思いでその前の9年間やっていたので。2012年からボルティモア・オリオールズに入団し、そして2014年にはシカゴ・カブスに移籍しました。

 ただ移籍してすぐの春キャンプで肘を痛めてしまい、トミー・ジョン手術(左肘靱帯再建手術)を受けたので、オリオールズ時代はファームで過ごすことが多かったです。カブス時代は5勝しましたけど、肩や太ももを痛めメジャーとマイナーを行ったり来たり。でも、米国時代の4年間で、僕の価値観はがらりと変わりましたね。

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 マイナーには、なかなかチャンスに恵まれずもがいている若い選手が大勢いましたし、球団のスタッフや裏方さんと接する時間が増え、彼らのサポートの有難さがしみじみ分かったんです。僕らの活躍はすべてこういう人たちに支えられているって。それまでの僕は、自分やチームが勝つことしか考えていなかった。

 メジャー時代の体験は本当に貴重だったし、あの4年間があったからこそ今の自分がいるとも思っています。だから、ソフトバンクに戻ってからの8年間は、若い選手を良い方向に導くのも自分の役目、手助けしたい、という思いでやってきました。

 メジャー時代の意識変化は、先に挙げた人生のターニングポイントに加えてもいいかな。

撮影=杉山拓也

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