研究に長く携わることは広い意味での“帝王学”
そんな背景もあってか、悠仁さまはいま、トンボ研究よりも受験勉強に邁進しておられるというのだ。
「悠仁さまはこれまで、皇居や赤坂御用地のみならず、『都内の〇〇池でトンボが生息している』と耳にすると、ご自身で足を運ばれた。悠仁さまが現地に赴くには警備担当者の下見を経る必要もあり、決して簡単なことではありませんが、それだけ熱心に取り組んでおられたのです。ところがこの春からは受験勉強のため、1日7時間ほどを勉強に費やしておられるそうです」(同前)
突如急ブレーキがかかった、悠仁さまの研究活動。歴史を紐解けば、戦後の歴代天皇はとくに研究に精を出してこられた。京都産業大学名誉教授の所功氏が解説する。
「植物学者の昭和天皇をはじめ、上皇陛下はハゼ、天皇陛下は水問題と、ご関心のあるテーマを長い時間をかけて極めてこられた。上皇陛下はかつて“研究に長く携わることによって、見識も深くなり、研究を通じて世の中を見る目を養うことができた”という趣旨のことを話されています。研究を長く続けられることで、協力してくれる周囲の人々との関係や、自然との関係も学んでいかれる。人の上に立つ者としての心得が培われていくのです。これも、広い意味での“帝王学”だと言えるでしょう」
次代の天皇にとっての“帝王学”の一環ともなり得る研究活動。意義はそれだけではない。
「天皇の研究活動には、学問奨励の意味合いもあると思います。今の日本では、とくに基礎研究は大学でも予算が減らされがち。皇族方がハゼやトンボなどの基礎研究をなさることで、こういった学問の重要性を示すことができる。また、天皇となれば、国内外の様々なことに関心を寄せられることになる。そんな中で、ご自身が没頭できる研究活動は、ご本人にとって数少ない息抜きにもなると思います」(名古屋大学大学院准教授・河西秀哉氏)