1月9日から放送開始のフジテレビ系連続ドラマ木曜劇場『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』で主演を務める香取慎吾には俳優に加えて“本当にやってみたい仕事”があるという。果たしてその仕事とは……。(全3回の2回目/♯1、♯3を読む)
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「僕は自分のことを作品の“素材”だと思っている」
――久々の連ドラ主演作です。今回、座長としてはどのような心持ちで臨まれていますか?
香取 僕は、いわゆる“座長感”みたいなものは、いつもほとんど意識しないんです。自分がどうしたいとか、現場でもほぼ何も言わない。それは背負い込まない僕のズルさでもあるんだけど、そもそも僕は現場の“長(ちょう)”とは監督だと常に思っていて。監督がいて、僕ら俳優がいて、スタッフの人たちがいて初めて現場が成立するという考え方なので、自分はどうしたいとか、ほぼ何も言わないんですよね。「それはスタッフの皆さんの仕事でしょ?」と思っているんですね。
例えばクランクイン前の衣装合わせも、僕はほとんど言葉を発さず、ただマネキンみたいに立っているだけ。「衣装、いかがですか?」と聞かれても、「これ、みなさんが考えて持ってこられたんですよね?」「監督がオッケーならいいんじゃないですか?」という感じで。
それを着て、実際に演じてみて、例えば少し動き辛かったとしても、その服と向き合って、その場でいろんなことを感じながら、決められた条件のなかで、やれることをやっていくのが僕の仕事だというのが僕の考え。何ならその前の段階から、僕は自分のことを作品の“素材”だと思っているので、スタッフのみなさんにもそう思ってほしいというか。
――それは裏を返せば、スタッフに「全幅の信頼を寄せる」ということでもありますよね?
香取 そうですね。それぞれのプロとしての仕事を信じたい、という気持ちもあるし。