政倫審「自分から出席を拒否したわけではない」
「文藝春秋」で政治ジャーナリストの青山和弘氏が「政治とカネ」について、萩生田光一氏にインタビューした。
萩生田氏は、旧安倍派の「裏金問題」に関連して、先の衆院選の直前に自民党から「非公認」とされ、さらに「2000万円問題」という逆風も吹くなかで、東京24区で当選を果たした。政治倫理審査会(政倫審)に出席しなかったことが非公認の理由だったが、12月には政倫審で証言した。
〈――公認か非公認かの基準が非常に分かりにくかったですね。
萩生田 正直不満があったけど、元々の原因は我々にあったので、腹にしまって我慢しました。けれど非公認の理由が「政倫審で説明責任を果たしていない」というのは耳を疑いました。
昨年2月に記者団に政倫審への対応を問われて、私は「出席を拒むものではありません。党に預けています」と申し上げました。しかし政倫審が開かれた時は、予算審議の真っ最中。仮に84人の不記載議員が全員出席したら、予算案の年度内成立が難しくなる可能性があった。だから党内で相談して、派閥の運営や資金の流れについて答えるのは派閥の事務総長経験者がいいと、衆議院は5人に絞ったんです。ですから、自分から出席を拒否したわけではありません〉
「マジメに政治をするほど金はかかる」
では萩生田氏自身は、「政治とカネ」問題をどう考えるのか。
〈――「政治とカネ」をめぐる国会での議論をどう見ていますか。
萩生田 迷惑をかけた立場で言いづらいのですが、もし企業・団体献金はダメ、政治資金パーティーもダメなら、私みたいな人間は政治家になれませんでした。世襲議員か資産家しか政治に携われなくなる〉
〈だからこそ、今回、「政治とカネ」に関して信頼を失う事態を招いたことを心から悔いています。ただ、「政治には一定のカネがかかる」ことを無視した制度をつくってしまえば、政治家を輩出する道がどんどん狭くなり、世襲議員と金持ち議員だけになってしまいます〉
そしてこう述べる。
〈何も活動しなければお金はかかりませんが、活動すればするほど、人もお金も必要になるのが、政治家の仕事です〉
衆議院議員の萩生田光一氏が、「政治とカネ」について本音を語った「それでも政治にカネは必要だ」の全文は、1月10日発売の「文藝春秋」2月号(「文藝春秋 電子版」では1月9日公開)に掲載されている。
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