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日本における災害対応は2015年に発生した東日本豪雨への対応がピーク…?

 能登半島地震の取材を通じ、過去の震災や豪雨災害の例と比べて、避難所の居住性など進化したと感じることもあれば、人命救助や被災家屋への対処など、退化したと感じざるを得ない部分もあった。

更地になった輪島朝市(2024年11月撮影)

 個人的な印象でしかないが、日本における災害対応は2015年に発生した東日本豪雨への対応がピークで、それ以降は、無理のない範囲で、無理のないスピードでしか行われなくなったと感じる。

 その背景には、二次災害防止の徹底や働き方改革など、ひと言でいえば時代の変化も要因として挙げられるかもしれない。しかし、人命が懸かっている以上、いかなる言い訳も通用しない。災害対応に満点はないのだから、時代の変化に適応した方法で進化を続けなければ、過去の教訓を十分に活かしているとはいえないだろう。

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鵜飼地区。更地になっている箇所もあれば、そのままの箇所もある(2024年11月撮影)

 今回の地震を受けて、警察に悪路走破性の高い軽自動車ジムニーが配備されるなどの動きも出ている。過去の災害による犠牲を無駄にしないよう、今後の動きに期待したいところだ。

 今回の地震で犠牲になられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた全ての方が一日も早く日常生活を取り戻せることを切に願っている。

撮影=鹿取茂雄