安田 松竹芸能の芸人の奥様達が集まる会で、よゐこの有野さんの奥様や、アメリカザリガニの平井さんの奥様達と愚痴を言い合う機会がありました。私が「芸人さんってスケジュールを教えてくれないですよね」と不満を漏らすと、他の奥様達が「家にスケジュール表が貼ってあるよ」と言うので驚きました。「さっちゃん大変だね」と皆に慰められ、奥様達の間で「団長の嫁が一番無理」という結論になっていました。
最大の離婚危機だった「100キロマラソン」
――結婚生活で、離婚危機はありましたか?
安田 2023年に、「FNS27時間テレビ」(フジテレビ)の「100キロサバイバルマラソン」に参加した時ですね。団長は優勝候補と言われていたので、「絶対に完走しなければ」というプレッシャーがあり、体重を落とすために食事制限をしたりして、すごくピリピリしていました。練習以外にも、体のケアのためにマッサージに通ったり、マラソンのために時間を使うことが多くなっていきました。
その間、私は家庭のことを1人でやらなければいけなかったので、お互いにストレスが溜まっていたのだと思います。子供たちも、団長が自宅にいる時に何度もマッサージを頼んでくるので、冷たく対応することが増えていきました。
そして本番が迫ったある日、お互いの不満が爆発してしまいました。団長は「応援してくれないんだったら、見にこなくていい!」と言い、私は「自分だけが頑張ってると思ってるんじゃないよ」と応戦して、大喧嘩になりました。結婚してから初めて本気でぶつかり合った気がします。「離婚」を口にしたし、「もうこの人とは無理だ」と本気で思いました。
――どうやって乗り越えたのでしょうか。
安田 喧嘩の後、モヤモヤとした気持ちを引きずっていたのですが、本番で走っている姿を見ると泣けてきて、「私の想像が追いついていなかった、100キロ走るのはこんなに大変なんだ」と思い直しました。18人のランナーの中で、団長はムードメーカーとしてずっと先頭を走っていて、終わった後「団長がいたから走れました」と言ってくださる方もいました。「団長が抱えていたものは、こんなに大きかったんだ」と反省しましたね。団長にも、その気持ちを伝えました。
結婚して15年間、お互いの譲れないところに対して、どう折り合いを付けるのか考え続けてきた気がします。譲れないポイントは変えないようにしないと、団長らしく仕事ができないと思います。もちろん団長が私に譲ってくれている部分もあるはずなので、お互いの間を取ることが大切なのかなと思います。
――安田大サーカスの3人は、どんな関係性なのでしょうか。