その後、吉川さんは交際相手の家に転がり込み、18歳で結婚したのは冒頭で紹介した通り。当時は「とにかく家庭から逃れたくて、男なら誰でもよかった」と振り返る。
「総じて、育った家の感覚が通常とはかけ離れていたと思います。そうした背景もあって、私自身、性行為に対して鈍麻しているのかもしれません」
「まだ先は長いですが、気長に彼を待つつもりです」
吉川さんには、娘に対してもうひとつ引っかるところがあるという。
「Aは娘との行為を動画に収めてもいたので、証拠も明らかだと被害届を出し、Aも自分の意志で自首をしたため、事実が発覚した後、すぐに逮捕されました。この間、私たちの家に娘が荷物を取りに来たのですが、『私、ある年齢になったらパパと結婚をしようと思っていたのに』と私に耳打ちしてきたんです。娘の“女”の部分をみた気がして、いい気持ちがしませんでした。
そもそも、それならばなぜAとの関係を捜査機関に話したのか、意味がわかりません。唯一心当たりがあるのは、その当時娘が交際していた相手のことです。娘は彼に、Aとの関係についても赤裸々に話していたそうです。彼氏の気を引こうとして告白したのだと思うのですが、かえって彼氏は怒ってしまい、『警察へ相談したほうがいい』となってしまい、引っ込みがつかなくなったのだろうと思っています」
吉川さんは自分の娘をどのような人物だとみているのか。
「至って普通の子どもだと思うんです。明るくて、今流行りの“推し”もいて。母娘の関係性もいいとは思っていたんですが……。ここ最近はパパ活もやっているらしく、『パパ活をするのは自由だけど、正式な彼氏でもない人を私たちの自宅には連れてこないでね』と伝えたことはあります」
性犯罪で服役するA氏との離婚は、今夏に成立した。それでも吉川さんはA氏の出所を待っている。いったいなぜなのか。
「これまで私は、男性にあまり期待をしてこなかったと思います。お嫁さんである母と性行為をする祖父、家庭内暴力をする親戚、私の身体を弄ぶ母の再婚相手など、良い記憶がないんです。しかしそんななかで、Aは私と話のテンポも合い、優しく頼れて、『この人しかいない』と思わせてくれる魅力があるんです。
Aが出てくるまで7年以上、まだ先は長いですが、気長に彼を待つつもりです」