石破首相が「大連立」に言及した背景
『石破茂首相、大連立の「選択肢はあるだろう」 ラジオ番組で発言』(毎日新聞1月1日)
《石破茂首相は1日に放送された文化放送の番組で、第2党の立憲民主党を含む大連立について問われ、「選択肢はあるだろう」と述べた。一方で「何のためにというのがない大連立は、一歩間違うと大政翼賛会になってしまうので、気をつけなければいけない」とも述べた。》
番組はジャーナリストの後藤謙次氏との対談形式で、12月24日に収録されたものだ。なんだか幽霊が明るい場所へ急に飛び出してきた感じだ。
私もラジオを聴いたが石破首相は「(維新共同代表)前原さん、(立憲代表)野田さんは、中道政治を目指す意味では相通じるものがある。長い友人であるし、人として信頼できる。裏切られたことが一度もない。そういう信頼関係がある」と語っていた。ラブコールと呼んでもいいレベルだ。
大連立発言を引き出したジャーナリストは...
この石破発言について立憲・野田氏は《少数与党に陥っているから苦し紛れの発言、抱きついてきたいのかなと思う》と語った(朝日新聞デジタル1月6日)。確かに一方的に言われたなら迷惑な話だ。
石破首相は昨年暮れには、年明けの通常国会で新年度予算案が否決された場合、衆議院を解散することも「あり得る」と語っている。党内基盤が弱いという立場から、逆に各所に対してブラフをかましまくり、けん制しまくりなのだろうか。
一方で私は、石破首相も意識するほどの「大連立」がなぜ出てきたのかという、そもそもを知りたくなった。なのでラジオ番組で大連立発言を引き出したジャーナリストの後藤謙次氏に話を聞いてみた。
ーー昨秋ぐらいから新聞や雑誌で大連立記事を目にするようになったのですが、実際に永田町の現場でも10月頃から流れていたのですか?
「一切ありませんでした。大連立の話が出てきたのは先月の12月7日が初めてです。その日に石破さんが亀井静香さんと会食したのですが、その際に亀井さんが石破さんに『お前が生き残るためには大連立しかない』と言ったというのです。その情報をつかんでいたので私は今回ラジオ番組で石破首相にぶつけてみたのです」
ーー亀井静香さんの影響で大連立案を意識していたと。そのタイミングでラジオ収録で聞かれたから「選択肢はあるだろう」と言ってしまったと。でも亀井さんは石破さんになぜ影響力があるのですか。