「これは調べてもらえば記事もたくさん出てきますが、亀井さんは山崎拓さんの主催する会に参加している人なんです。山崎拓さんは石破推しですから『お前が生き残るためには大連立しかない』というのは元々ヤマタクさんが言っている案なのでは」
石破推しの“ドン”の存在
あー、ここでつながった! 冒頭に昨秋から政界再編に関する記事を見かけるようになったと書いたが、あれもヤマタク発信だった。要は石破推しのヤマタクとその周辺が弱小の石破政権維持のために「発破をかけていた」のが今回の大連立騒動というニュースの源だったのかもしれない。
一方で後藤謙次氏には次の質問をしてみた。
ーー今の政治状況は過去で言うと似てる政権はありますか?
「あえて言うなら小渕恵三政権の初期ですかね(1998年~)。政権基盤が弱かった小渕政権は公明党との連立を模索しました。しかし公明党側は世間体もあり『いきなり連立というわけにはいかない。座布団を一枚入れて欲しい』と返事をしたのです。そこで自民党は小沢一郎氏の自由党と自自連立をした。そうして公明党が参加しやすい状況をつくって『自自公』連立になりました。小沢氏が離れたあとも自公連立は今も続いています」
「理想で言うなら国民民主か維新」
ーーというと石破氏にとって当時の公明党のような存在は?
「理想で言うなら国民民主か維新なのでしょう。立憲との大連立を言ったのも両党へのけん制の意味もあったと思います。しかし『103万円の壁』(国民民主)や『教育無償化』(維新)の政策論議でどこまで折り合えるかは不明です」
いかがだろうか。政策論争が注目されている国会だが、一方で政局も両にらみになっているようだ。政策が優先だろうと思うが、人間がやっていることだからどちらも見ておかないとわからないこともある。夏には参院選もあるので野党も石破首相の思惑に簡単に付き合うようには思えない。これらを頭に入れて政策論争をあらためて追っていきたい。
それにしても「大連立」の正体を調べてみたら、幽霊だと思ってドキドキしていたものが枯れ尾花だったみたいなオチでした。