とてもやりやすい雰囲気だった撮影現場
――監督からこんなふうに演じてほしいといった要望はありましたか?
村重 それが全然なくて。あった方がまだ楽だなって思うくらい。でも、撮影の途中で「村重さんの本読みを聞いて、僕たち一切不安がなくなりました。僕たちの理想の日名子を作り上げてくれたから、僕たち何も言うことないです」って言ってくれて、あ、良かったって。自分なりに日名子ってどんな子なんだろうってイメージしながら本読みしましたが、大丈夫だったのかなって。
――監督によっては、なかには言葉が厳しい方もいらっしゃいますが、そういう感じではなさそうですね?
村重 監督、私と同じ歳なんですけど、監督としては若いのかな。皆さんの声もちゃんと聞いてくださって、監督も演者もみんなで意見を出し合うような現場でした。「これって普通なの?」ってほかの共演者に聞いたら、いや、違うよって。監督がバーッて喋って進めることが多いって言ってましたが、とてもやりやすい雰囲気でしたね。
危機迫る状況でも下心はある…「演じててめっちゃ難しかった」
――映画では智樹に体の関係を誘うような、少し際どいシーンもありました。
村重 そこ、結構難しかったですね。日名子も下心ありありじゃないですか。鬼と戦うために智樹を誘っているのか。自分の好きの気持ちを優先しているのか。私の中でも迷いがあって、監督にも相談したら「両方あると思います」って。こんな危機迫る状況でも下心はあるっていうのが、演じててめっちゃ難しかったです。でも智樹を演じた太田将熙くんが、「僕、キスシーンもベッドシーンも経験したことあるから、全然大丈夫だよ」みたいなことを言ってくれて、「すみません! いかせていただきます!」って感じでバーッて智樹のシャツのボタンを剥ぎ取ろうとしたけど、めっちゃ緊張しました。
――1回でうまく撮れましたか?
村重 撮れました。バラエティではメンズのボタンを外すことなんてないから、どうしてもバラエティ基準で考えちゃうんですけど。彼はなんてことなく終わってましたが、村重はそのシーンを撮り終えた後、ポッポッポッて感じでしたね(笑)。
――村重さんの中で印象深いシーンはありますか?
村重 牛乳吹き出すシーンかな。鬼が登場して、鬼から逃げ始めたあたりのシーンですが、「ところで君たち、大人じゃないよね」って聞かれて、私が牛乳をバーッて吹き出すシーンがあるんですけど。その前に智樹が牛乳を一気飲みしているシーンがあって、面白過ぎて5回くらい撮り直していて。その状況の後に私の牛乳のシーンの撮影があったので、1回で成功。後から映像を見て、マーライオンみたいに綺麗に吹き出せたので、良かったかなと思います。
撮影 榎本麻美/文藝春秋
ヘアメイク 沼田真実(イルミニ)
スタイリスト 櫻井かおり
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