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和彫りの刺青が入ったスタッフと講習することに…

 入店するときに、男性スタッフの一人から講習を受けました。講習といっても、面接も兼ねて普通に飲みに行き、そのままホテルに行って、「はい、講習」って、適当なものでした。プライベートでは男性が先に入室している部屋に後から女性が向かうなんてことはまずないので、「ホテルに入るときには、受付に部屋番号を言うんだよ」といった初歩的な作法を教えてくれて。

 それから部屋に入って「お客様の靴を揃えてね」「お客様にコース時間を確認したらお店に電話をかけて、タイマーをスタートさせるんだよ」など、基本的な流れを習いました。

 ところが、浴室で「(お客様の)体はこうやって洗うよ」と言われ、ふとその男性スタッフの背中を見たら、入っていたんです……刺青が……和彫り系の。

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風俗店で働き始めたまりてんさん(写真=『聖と性 私のほんとうの話』より/講談社提供)

「ヤバい人なんだろうな、ヤバい店だったんだな」

 それまで逆ナンで数は積んでいましたが、危なそうな人には手を出していなかったので、はじめてそんな立派な和彫りを見たこともあり、さすがに「オオッ」っと、びっくりしました。「ああ、ヤバい人なんだろうな、ヤバい店だったんだな」なんて思いながらも、講習を最後まで受けました。

 そのときははじめてのデリヘルだったのでそんなもんなのかなと思ってましたが、その数年後に東京のデリヘルで働きはじめて、風俗業界にもくわしくなると、デリヘルでの講習はほとんど行われないことを知りました。

 実技講習となると密室ですし、女の子がスタッフに手を出されたなどとクレームにつながるケースが多いからです。最近では口頭での説明やDVDや漫画を用いての説明が主流です。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。