新興宗教家庭で育った宗教2世のまりてんさん。入信を拒んだ彼女は家庭での居場所を失い、孤独を感じながら成長していく。大学生になると、不特定多数の男性と性的な関係を持ち、大学4年の冬から風俗店で働き始める。
彼女は、どのような孤独感を抱えながら学生生活を送っていたのか。なぜ風俗店で働くようになったのか。ここでは、まりてんさんの著書『聖と性 私のほんとうの話』(講談社)より一部を抜粋して紹介する。(全2回の2回目/1回目から続く)
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9割くらいの確率で成功していた逆ナンパ
飲み屋街で悪友とナンパ待ちを繰り返していた私ですが、徐々に一人でもナンパ待ちをするようになります。そして、次第に待っているだけでは効率が悪いからと、自ら男性に声をかけるようになっていきました。
私の「逆ナンパ師」活動のはじまりです。
逆ナンパをはじめたのは、ナンパをしてくるようなガツガツした積極的な男性に飽きてきてしまったこともあります。そのころの私は、もっといろいろなタイプの男性と関係を持ちたいと思っていました。
逆ナンパでは普段女性遊びをしなさそうな男性ばかりを狙っていたので、たまに怖がられたりもして。それでも、逆ナンパはほぼ成功していました。だいたい9割くらいの確率です。その日のうちに連れ込むことが難しくても、日を改めてもう一度声をかければまずいけました。
自分をなるべくさらけ出すのが逆ナンのコツ
そうこうするうちに、私の声のかけ方も磨かれていき、その道の「プロ」でもやっていけるくらいの成功率とスムーズさで連れ込めるようになりました。逆ナン師にプロがあるのか、そもそもプロが成立するかどうかはわかりませんが。
コツは「早めにナメられる」こと。プレイではなく、人間として、です。自分をなるべくさらけ出して、早めに「底」を見せる。その点で役に立ったのが学生証です。大学生、しかも地域ではある程度名の通った公立大学だったので、社会人の男性でも「ああ、あそこの学生か」と警戒心も薄くなる。