首都圏で念願のタワーマンションを購入した、電通マンの竹中信勝さん。快適な“タワマン生活”を送っていたが、ある日突然、マンション管理組合の理事長になってしまう。
管理会社がほとんど役に立たないため、理事長としてクレームやトラブルを一手に引き受けることになった彼は、どんな課題に直面し、どのように解決していったのか。ここでは、竹中さんの著書『タワマン理事長 - ある電通マンの記録』(ワニブックス)より一部を抜粋して紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く)
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あまりのショックに言葉を失う
どんなに難解なトラブルが発生した際も姿を現すことのなかった管理会社の役員が、突如としてマンションを訪れました。なにか大変な事態が起きたに違いないことは、訪問された時点で容易に推察できます。
管理会社の役員は、こちらが畏れ多くなるほどの低姿勢で切り出します。
「こちらのマンションの管理人が、居住者の個人情報を業者に流出させていたことが発覚しました。大変申し訳ございません」
なるほど、個人情報の横流しですね、はいはい……なんてスルーできるはずもなく、私はあまりのショックに言葉を失ってしまいました。
不透明な点が多い事件
後日、管理会社が住民説明会を開いて、ことの経緯を説明。しかし、対策については現在も業者とやりとりをしている最中とのことで不透明な点が多く残りました。なぜ事件が発覚したのかというと、次のような流れです。