スイッチを入れるとほんの数秒で温かく。最高温度は50度!

 では具体的な仕組みを見ていきましょう。本製品は背中に電熱シートが組み込まれており、そこから右脇ポケット内側まで伸びたケーブルに専用モバイルバッテリーをつないでスイッチを入れると、電熱シートが発熱する仕組みです。スイッチを入れてから数秒後には熱を感じるほどスピーディなのは、使い捨てカイロなどと比べた場合の利点の一つです。

 温度は高温/中温/低温の3段階で調整できます。右脇ポケット内側にあるスイッチを押すことによって簡単に切り替えられ、また前述のように体感温度への反映も速いため、熱が高すぎる場合も対処は容易です。現在のモードはLEDの色で分かるので、暗い場所でも判別しやすいなど、よく考えられた設計であることが分かります。

電熱シートから伸びたケーブルの先端に、専用のモバイルバッテリーを接続して電源をオンにします
温度は高温(赤)/中温(青)/低温(緑)の3段階で調整できます。温度は最高で約50℃とされています

 電熱シートは背中と腰の上下2箇所に組み込まれています。こうしたヒーターウェアは製品ごとに電熱シートの位置が大きく異なり、前面に仕込まれた製品もあれば、同じ背面でも上下2箇所ではなく、左右2箇所に仕込まれた製品もあります。前面と背面、両方に仕込まれた製品も多数あります。

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 これらと比べると、背面2箇所だけというのは一見物足りなさを感じますが、前面については携帯カイロや温かい缶ドリンクをポケットの中に入れて暖を取ることもできますので、前面は自分で調整するために敢えて電熱シートを仕込まず、背中は無条件で温めるというのは、実際に使ってみると合理的なように感じます。

サーモグラフで見ると、背骨に沿って上と下の2箇所が発熱していることが分かります。ちなみにモバイルバッテリー本体の発熱はほとんどありません
熱は最大50℃に達するとされていますが、長時間接触していると低温やけどの危険があるので要注意。「高温」に設定した状態だと温度は40℃前後で推移していました

 ただし背骨に沿って上下2箇所とするよりも、左右2箇所に分けたほうが、肩からくる寒気を防げますし、また左右の腰を温められることから、腰痛持ちの人にとっても魅力的かもしれません。理想を言えば、背面の上下左右4箇所にあればベターといったところでしょうか。このあたりは個人によって好みが分かれそうです。