「恐喝ママ」に下った判決は?
逮捕された直後、彼女に対して殺人の疑惑がかけられていることを知る私は、当時仕事をしていた週刊誌で『夫2人が不審死 48歳「恐喝ママ」の“黒い美貌”と“カネ遣い”』なるタイトルで記事の作成に関わった。
それは2人の夫が不審死していたことについて触れたもので、死因への疑念を捜査当局が抱いており、じきに殺人で再逮捕される可能性が高いことを含ませた記事だ。
やがて福岡県警は、最初の恐喝での逮捕から55日後の9月15日に、裕子を2番目の夫・Bさんへの殺人容疑で再逮捕する。そして3番目の夫・Cさんに対しても、11月4日に殺人容疑で再逮捕した。
結果から明かしておくが、後に福岡地裁で開かれた一審で無期懲役の判決が下されており、それは控訴審、上告審でも変わらず、裕子の無期懲役は11年4月26日の最高裁判決で確定している。彼女の両親はすでに亡くなり、3人の子供たちとは連絡が取れなかったため、最終的な安否確認まではできていないが、現在もなお、北部九州にある刑務所に服役中であるとみられる。
※本記事の全文(約4500文字)は「文藝春秋 電子版」に掲載されています(小野一光「平成6年~12年 中洲スナックママ連続保険金殺人事件篇」)。
■「平成凶悪事件と『その後』」
【平成17年】 大阪姉妹連続殺人事件篇 みんなから愛された姉妹は帰宅直後に殺害された(全4回)
【平成15年】福岡一家4人殺人事件篇 犯人逮捕を喜ぶはずの遺族の周辺から「結末に納得がいかない」との声(全4回)
【平成18年】秋田児童連続殺人事件篇 「そこ写すなって言ってんだろ!」と報道関係者に怒りをぶつけた畠山鈴香(全4回)
【平成16~17年】福岡3女性連続強盗殺人事件篇 すぐに死刑というふうにしないと。おかしいやろ、税金でメシ食わせるのって(全4回)
【平成6年~12年】中洲スナックママ連続保険金殺人事件篇(#2〜4は順次公開)
#1 「なにしろ美人で華やかだった」夫2人を金目当てで殺害した女は〈白雪姫〉と呼ばれていた <<この記事
