「僕でっちあげなんて言ってませんよね」

 メディアも立花氏のデマについて報じ、立花氏は20日に公開した自身のユーチューブチャンネルで訂正して謝罪した。今回はメディアが速やかにデマを否定したことで立花氏も無視できずに謝罪に至ったように見えた。こうした報道姿勢は今後も必要ではないか。

 一方で立花氏は、謝罪動画を出した後もなお、「竹内県議がでっちあげをしていた」との主張は変えていなかった。すると『報道特集』(TBS系)が立花氏を問うた(25日放送)。立花氏は何を根拠に竹内元県議の主張を「でっちあげ」としたのか直接、立花氏を問いただしたのだ。

©時事通信社

 立花氏は、「でっちあげというか僕は疑惑と言ったつもり。(竹内氏は)疑惑に対してちゃんと弁明されたらよかった」「疑惑とでっちあげとなると、ちょっと印象が違いますよね。僕でっちあげなんて言ってませんよね。疑惑ですよね」と否定したが、1月20日の自身のユーチューブで「デッチあげ」とホワイトボードに書き、発言していた事実を突きつけられた。

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 立花氏は動画を公開したわずか4日後に「疑惑と言ったつもり」と発言を変えていたのだ。しまいには「僕はそういう疑惑があるということを言っているだけ。そんなことに対して僕は別に興味がないから言ってないもん」と言い出した。正体見たり、という衝撃映像だった。

メディアが選挙期間中におとなしくなってしまった

『報道特集』の日下部正樹キャスターは最後に「私たちは相手にするとめんどくさいからと言って立花氏の発言にきちんと向き合ってきませんでした」と述べたうえで「結果的に立花的な言動が野放し状態になって一部社会的に受け入れられる空気をつくってしまった。私たちと立花氏の間に線を引くためには私たちは愚直に真実を追い続け、たとえ少数派になろうとも事実に基づき、ダメなものはダメなんだと声を上げ続けなければなりません」と語った。報道番組でのこの言葉は大きい。

 冒頭で引用した「立花さんのおかげで真実を知り全てがつながりました」と語った斎藤支持者も、新聞やテレビが選挙期間中におとなしくなったから立花氏にたどり着いてしまったとも言えないか。選挙期間中でもデマや誹謗中傷を検証し報道することぐらいはできないか? これは何度でも書いておく。デマや誹謗中傷を続ける人物に対して淡々と事実を突きつける。文春だろうが報道特集だろうがオールドメディアと罵倒されようがこうした当たり前のことがもっとおこなわれてほしい。