シャブに飲み込まれたヤクザの最期とは? 山口組系組長から更生を果たし、現在は暴力団員の更生支援のために活動するNPO法人五仁會(ごじんかい)代表の新刊『極道ぶっちゃけ話「山口組四代目のボディガード」の半生記』(清談社Publico)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)

写真はイメージ ©getty

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ヤクザが自殺を選ぶとき

 侠を貫くはずのやくざには、じつは自殺も多い。「最後の博徒」といわれた波谷守之も1994年に拳銃でこめかみを撃って自殺している。

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 そして2014年7月にも福原辰広会長率いる山健組内邦楽会若頭だった吉岡進が岡山・美作市の病院に入院中に拳銃を持って立てこもり、4時間後に病室で自身のこめかみを拳銃で撃って死亡するという事件があった。

 姫路在住でもあり、私も吉岡のことは知っている。みかじめ料をめぐって警察が組織犯罪処罰法違反で逮捕状を取り、任意同行を求めていた矢先だったと聞いた。

 当初は「わかりました」と捜査員に従うそぶりを見せたそうだが、その直後に突然、拳銃をロッカーから取り出して立てこもったのである。

「もう、やくざ稼業はいやだ!」「捕まるなら死んでやる!」などとわめいて自分の頭を撃ったのである。

 病院側にとっては迷惑でしかなかっただろう。

 あとで私が調べてみると、吉岡は過去に覚せい剤を常用していたことがわかった。そのためにカネもなく、健康も害してしまい、カタギになったのだと聞いた。

 拳銃は「覚せい剤とセット」で所持されている場合が多い。

 ヒットマンは覚せい剤で気分を高揚させ、緊張感を維持して標的を狙うのである。