1月31日公開の『遺書、公開。』で、地味で目立たない高校生・池永柊夜(いけなが・しゅうや)を演じた、THE RAMPAGEのボーカリスト・吉野北人にインタビュー。
主役でありながら目立ってはいけないという矛盾した役柄をどう演じたのか。「全員が主人公」という作品の見どころや、演じる難しさについてもお聞きしました。(全2回の前編/続きを読む)
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あらすじ
私立灰嶺(かいれい)学園2年D組の生徒24人と担任教師に、新学期の朝、「2−D序列」と書かれたファイルがメールで届く。そこには担任教師を含めたクラス25人の名前が、1位から25位までの順位とともにならんでいた。
犯人がわからないまま一度は落ち着きを取り戻したクラスだったが、半年後、誰もがうらやむ序列1位の姫山椿が学内で謎の自殺を遂げ、彼女の遺書がクラス全員の机の上に置かれていた。
姫山はなぜ自殺したのか。そして遺書は本当に彼女が書いたものなのか。
真実を知るため、クラス全員でその遺書を公開することになるが、遺書を公開するうちに、クラスメイトは、実はそれぞれが、表には出さない裏の顔を持っていることが明らかになっていく。
「座長」や「主演」という立場を忘れようと考えた
──英勉(はなぶさ・つとむ)監督が「(吉野さんの)声を聞いたときに、“ああ、池永柊夜(いけなが・しゅうや)だ”と思った。これは絶対大丈夫、この役を背負える人だと確信した」と吉野さんの演技を絶賛されていました。オファーを受けたときの状況を教えてください。
吉野北人さん(以下、吉野) 監督は最初、僕が池永のイメージに合うかどうか、不安だったと思います。オファーをいただいたときは僕、金髪だったので、ステージ上のイメージが強かったみたいなんです。
本読みのときは黒髪にして行ったんですが、台本を読み始めたら監督がホッとした顔をされたような気がして、僕も安心しました。
──今回、吉野さんは主役でありながら、地味で目立たない序列の低い生徒という難しい役柄に挑戦されています。
吉野 そうなんです。主役なのにクラスの序列は25人中19位という微妙な……、というか、むしろ後ろから数えたほうが早いくらいの低い順位で、目立ってはいけない。難しい役だな、と思いました。
しかも、僕が演じた池永は、ずっと登場し続けるわけでもありません。原作ももちろん読ませてもらいましたが、「主役だから」と目立ったら逆に池永ではなくなってしまうので、一度「座長」や「主演」という立場を忘れようと考えました。