医療ジャーナリストの長田昭二氏(59)は「余命半年」の宣告を受けながら執筆活動を続けている。今回は、2025年を迎えての体調や意識の変化について綴った。
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経口の抗がん剤を切り替えることに
1月も東海大学医学部附属病院に行ってきた。
まず1月15日の水曜日。
この日は口腔外科だけの受診で、予定していた右下の一番奥の歯を抜いた。
元々ぐらついていた歯なので、麻酔こそ打ったものの、特に苦痛なく抜くことができた。
抜いたところは縫合し、1月22日の水曜日に再度受診し抜糸してもらった。
これで右あごの痛みが「顎骨壊死」「がんの転移」「歯槽膿漏」のいずれなのかがハッキリするのかと思っていたが、実際にはさらに2週間ほど様子を見ないと分からないとのこと。
いろいろと面倒な痛みである。
この日は抜糸したあとで採血してもらい、今年最初の腎泌尿器科外来を受診。主治医の小路直医師とも今年初対面だ。
「今年もよろしくお願いいたします」
もしかしたら年内のどこかで力尽きるかもしれないのだが、そんな説明をこまごまとさしはさむのも野暮なので、とりあえず一年分をよろしくお願いする旨の挨拶をする。
気になる血液検査の結果だが、PSA(前立腺特異抗原=腫瘍マーカー)は21.0。前回の18.6から2.4ポイントの上昇だ。人がだるさに耐えて年賀状を書いている間も、がん細胞たちは勢力拡大の手を緩めてはいなかったのだ。どうやら彼らにお正月休みはないらしい。
「体調はいかがですか」
「とにかくだるくて仕方ないのです」
昨年末に経口の抗がん剤「ザイティガ」から「イクスタンジ」に切り替えたのだが、それ以降だるくてだるくてどうしようもないのだ。