だが、それらは反故にされ、最終的に第9話と第10話はドラマのプロデューサーの要望を取り入れながら芦原さんが脚本を執筆し、日本テレビと専門家で内容を整えるという解決策となった。

 一連の投稿はその後、削除された。そして芦原さんは1月28日に〈攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい〉とポストし、翌日、変わり果てた姿で発見された。

 人気漫画家の死は業界に衝撃を与え、原作者と制作者の関係性をあらためて見直す声が広まっている。

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「彼女の心を折った本質的な部分は陰に隠れたまま」

 芦原さんの訃報が伝えられた当日、脚本家の事業協同組合である「日本シナリオ作家協会」がYouTubeに1本の動画をアップ。その中である出演者が「私は原作者の方に会いたくない派なんですよ」など“原作者軽視”とも捉えられる発言をしていた。芦原さんの死とは関係なく制作された動画だったが、最悪のタイミングでの公開に批判が殺到し、大炎上。日本シナリオ作家協会は謝罪し、当該動画を削除。釈明に追い込まれるなど、問題は様々な方向に派生している。

ドラマの公式HPより

 だが、冒頭の友人男性はこう語る。

「業界の問題が見直されることは良いと思うのですが、何が彼女を死に追い詰めたのか。彼女の心を折った本質的な部分は陰に隠れたままです」

 この友人男性が芦原さんと出会ったのは約6年前。共通の趣味だったポーカーを通じて知り合ったという。以来、ほかの友人を交えて食事もするようになった。

「彼女はお酒は決して強くないのですが、飲むことは好き。そのお店の食事にあわせてカクテルから日本酒まで幅広く嗜んでいました。ポーカーのほかにはベリーダンスや旅行などを楽しんでおり、好奇心と行動力に溢れていた。『漫画家だから繊細な部分があった』とも言われていますが、少なくとも私から見ると感情の起伏がなく、芯が強い女性。言われないと漫画家だと気づかない“普通の女性”でした」

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 この記事の続きは「週刊文春 電子版」で公開中。原作の映像化について芦原さんが打ち明けていた“悩み”、友人男性が明かす素顔の芦原さん、亡くなる直前に芦原さんのLINEアカウントとXの“鍵アカウント”に起きていた異変などについて詳しく報じている。