先進国でかつてない人口減少を迎える超高齢化社会において、私たちはどう生きるのか? 『人口減少社会の未来学』刊行を記念して、編著者の内田樹氏と、地方の文化政策に深くコミットしてきた平田オリザ氏の特別対談が行われた。5月16日代官山 蔦屋書店で行われた白熱のトークイベントの一部を紹介します。

東京から地方に移住する

『人口減少社会の未来学』(内田樹 池田清彦 井上智洋 内田樹 小田嶋隆 姜尚中 隈研吾 高橋博之 平川克美 平田オリザ ブレイディみかこ 藻谷浩介 著)
『人口減少社会の未来学』(内田樹 池田清彦 井上智洋 内田樹 小田嶋隆 姜尚中 隈研吾 高橋博之 平川克美 平田オリザ ブレイディみかこ 藻谷浩介 著)

内田 こんばんはみなさん。平田さん、お久しぶりですよね。

平田 お久しぶりですね、妻がよろしく言ってました。実は内田先生と私の妻の合気道が同じ師匠というご縁があるんですよね。

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内田 そうなんですよね、奥様と私は兄妹弟子なので、平田さんは私の「義弟」にあたるわけです(笑)。今回、人口減と地方自治体の政策についていろいろお書きになってきた平田さんに執筆陣に加わっていただきましたが、平田さんご自身が地方移住を決められたんですよね。

平田 青年団が兵庫県・豊岡市に移転する話はすでに報道されているので、ご存じの方も多いかと思いますが、私は来年には引越しますから、内田さんと同じ兵庫県民になりますね。いまは城崎国際アートセンターで芸術監督をしてるんですが、それ以外に豊岡市内にさらに3つ、市と一緒に劇場を作ることになったんです。

内田 え、劇場もですか。どこに作るんです?

内田樹さん ©鈴木七絵/文藝春秋