2021年ころから問題が顕在化したのは、急速に在留クルド人数が増えたこと(2015年5月の読売新聞には川口、蕨市の在留者数約600人という記事がある)、第2世代が青年期に達し非行問題を起こしていること、新たに日本に入国したクルド人が、これまで以上に日本社会の規範を軽視する行動をとっていることが背景にあるようだ。
集住するきっかけは、1990年代初め、日本の解体業者がクルド人を雇い入れたことだったという。すでに30年以上、既成事実が積みあがっている。
なぜクルド人は容易に来日できるのか?
クルド人が容易に来日できる一つの背景として、トルコとの間で、短期滞在であれば査証(ビザ)を取得する必要がない「査証相互免除」の取極めを結んでいることがある。
1958年の発効以来、コロナ禍で一時停止していた時期はあったが、継続している。
日本は2024年4月1日現在、世界の71の国・地域と査証免除措置を行っているが、中東地域ではアラブ首長国連邦、イスラエル、カタール、トルコの4か国である。
難民申請5回で20年在留
川口市で解体業を事実上経営するクルド人Bさんの話を聞いた時に、こんなことが可能なのか、と驚きを禁じ得なかった。
Bさんは川口市赤芝新田に事務所を構えるクルド社会の「成功者」である。難民申請や訴訟を繰り返すことで20年間、日本に残留している。もちろん就労はできないが、実質的に解体業を経営し、相当な収入があるようだ。彼が当地のクルド人の発想、振舞いを代表しているわけではないにせよ、その一端を物語っていると思うので、2023年3月に行ったインタビューを紹介したい。
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