閉業には「ある意味、納得した」

「閉業のことは、公式発表の数カ月前に先代社長から直接聞いてたんです。『俺が社長じゃなくなったら、オリエントならではのこだわりや意思は途絶えてしまう』と言われて、ある意味、納得しました。ドールにリアルさを求めるだけなら、極論を言えば3Dプリンタなど最新技術を使えばなんとでもなる。けど、オリエント工業のドールは先代社長の理想の女性像を投影している部分もあったので、そういう意味でもやっぱり先代社長にしかつくれないものだった。ただ、『俺の思いを汲んでくれる後継者がいたら……』とも話されていたのが印象的でした。

オリエントのドール「沙織」 ©清談社

 そんななか、2カ月後には復活、と。そんな噂は古株のファンにも一切出回ってなかったので、本当に驚きました。新社長にもお会いしましたが、僕がかねてから考えていた、『オリエントのドールとの生活を伝える公式YouTubeをやりたい』と提案すると、『ぜひやりましょう』と即答してくれた。実現するかはまだ不透明ですが、きちんとファンの声を聞いてくれる方だなという印象です」

40代男性は「復活したからには…」

 ちょうどお邪魔したこの日は、以前から中島さんと親交が深いというドール愛好家たちも同席していた。そのうち、40代男性のひとりが、「まだドールと出会って2年と関わりは浅いですが……」と口を開いた。

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「僕が所有しているのは少しお手頃価格の中国メーカーのドール2体。僕の金銭事情では1体70万円前後もするオリエント工業のドールにはまだ手が届かず、『いつかは……』と夢見ていたんです。だからこそ、閉業の発表は本当にショックでしたが、復活したからには夢のオリエントドールをいつか絶対に手に入れたいと思います」

 日本が誇るラブドールメーカー・オリエント工業を愛する人は、今後ますます増えていきそうだ。

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