――最初から国外の反響があったんですね。

松田 ありましたね。みんなが求めていたんじゃないでしょうか。人の心を掴む設定だったし。ただ、みんな描くかなと思ったら誰もやらなかったですね。

――国内ではどうでしたか?

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松田 国内では、コミティアの段階ではまだそんなに広がってませんでしたが、朝日新聞の記者がコンタクトを取ってきて、2022年12月7日に記事になりました。その報道で一気に広がった感じがします。新聞の影響はデカかったですね。

「キエフの幽霊」をモデルにしたプラモデルも発売されている

マンションの壁に大きな絵が描かれるほどの反響に

――ウクライナ側からの接触はどのようにあったんですか?

松田 コミティアが終わってすぐでしたね。駐日ウクライナ大使館からメールがきました。ウクライナの出版社が翻訳を出したいとかいって、こちらと連絡を取れないから大使館経由で連絡をとったという感じだったと思います。

 長い契約書も締結して、そこには「ウクライナ語版を出版したら2冊送ること」ともあるんですが、『キエフの幽霊』以外の本は送られていません(笑)。最近、出版社から「作品を送りたいので住所を教えて」と聞かれたのでもうすぐ届くのかもしれませんが……。

――その反響はどうでしたか?

松田 現地で見てはいませんが、報道を見る限りはすごいみたいですね。マンションのデカい外壁に描いたりとか。たまにこちらが検索して出てきたものが「おおすごい」という感じで、あちらの動きは本当のところは掴めないですね。「ホントに売れているのかな?」って感じで。

――ウクライナ軍のザルジニー総司令官が『キエフの幽霊』ウクライナ語版にサインする写真もありましたよね。

松田 あれも自分で検索して見つけました。