「具体的に申し上げにくいんですけれども」と仰った悠仁さまとは対照的
さらに兄である現在の天皇(当時は浩宮)を「お兄ちゃま」と呼び、自分は兄から「アヤチャン」と呼ばれていること、兄弟でけんかはほとんどしていないことなどにも言及している。このように、かなりプライベートな話が会見で出ていることは、今回の悠仁親王とは違うなと思わされる。
さらに、礼宮は好きな音楽・ミュージシャン、好きなタレント・俳優を問われ、歌手ではビートルズや江利チエミ、ダイナ・ショア、浅川マキ、俳優ではチャップリンを挙げた。記者からそれに対して「オジンくさい」と言われませんか?と問われ、「しょっちゅういわれます(笑い)」と答えている。今回、好きな音楽などを問われて、「具体的に申し上げにくいんですけれども」とにごした悠仁親王の会見とはやはり異なる。
礼宮はこのとき、結婚についても問われている。「あまり遅くならない方がいいと考えています」と答え、具体的なタイプを聞かれると、「たとえばテレビに出ている新珠三千代さんとか。最近の若い人はあんまりよく知らないので……」と述べた。
なお、1980年2月20日に行われた浩宮の成年会見でも、その質問に「困ったな(笑い)」と述べつつ、記者から竹下景子の名前が出たところ「そう、竹下景子なんかいいと思います(笑い)」と答えている。
「新しいご自身の側面を…」悠仁さまに期待すること
礼宮も浩宮もこの答えが本気であるのかはわからない。昭和の時代とは異なり、令和の現在では皇族が個人名を挙げることは難しいかもしれない。ただし、父親も伯父も、成年会見ではざっくばらんな態度で臨み、しかもメディアが求める回答を意識しつつ、それをうまくかわす答えを述べた。それによって、彼らの普段の人柄がにじみ出る成年会見となった。
もちろん、昭和と令和では時代も異なる。皇族に求められる像も異なるだろう。しかし、ときにはプライベートな部分も見せる浩宮や礼宮の回答を見ていると、むしろそちらの方が親しみのある将来の皇族の姿を想起させるような感じもする。
悠仁親王が、今回の成年会見が起点となって、今後もメディアに登場し、今回以上に新しい自身の側面を人々に見せていくことを期待したい。


