「この子はおかしくなっている」

 道中、身の危険を感じた村山さんはコンビニに逃走。店員に助けを求めたものの、内田はこう言い放った。

「この子はおかしくなっているので、取り合わなくていい」

 暴行を受け、車に連れ戻された村山さんは内田ともう1人のA子容疑者(19)からわいせつな行為を受けている。そして、

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「日付の変わった19日、両容疑者は神居古潭の『神居大橋』から村山さんを突き落とした。村山さんの家族は22日、行方不明者届を提出。道警は4月から5月にかけて内田ら4名を不同意わいせつ、監禁、恐喝などの疑いで逮捕。5月下旬には溺死した村山さんが発見された」(前出・記者)

事件現場となった神居大橋

 それから約2週間後の6月12日、内田とA子がついに殺人の容疑で逮捕された。内田は村山さんについて「言葉遣いが気に入らない。呼び出して謝罪を求めたが、失礼な態度を取られた」と供述しているという。

 残虐極まる犯行。わずか17歳で命を奪われてしまった村山さんは、留萌市から車で1時間ほど北上した羽幌町で、漁師の父とパート勤務の母との間に生まれた。地元の中学ではバスケットボール部に所属。明るい性格だったという。

「ちょっとおバカキャラみたいなところがあって、流行に敏感な子でした。部活もなんとなく続けていた感じで、文化祭や体育祭もそれほど熱心なタイプではなかった」(中学時代の同級生)

亡くなった村山月さん(卒業アルバムより)

 村山さんに転機が訪れたのは、中学卒業間近のこと。

「月ちゃんのご両親が別居することになって。月ちゃんはお母さんについて母方の実家がある留萌に転居したんです」(中学時代の同級生の保護者)

 村山さんは留萌市内の高校に進学したものの、1年ほどで中退。以降は通信制の高校に通っていた。

「月は留萌の高校に入ってから妙に派手になった。PayPayで6、7万円入金された画面をインスタにあげたり、ブランドもののバッグを買うようになった」(前出・同級生)

 村山さんは自宅から遠く離れた旭川市にもたびたび、足を運んでいたという。そして今年4月、2人の“魔神”に出会ってしまった。